コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:         恋時計     ( No.41 )
日時: 2010/12/05 10:48
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: zc76bp3U)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/





 第12話



 
 朝、8時30分。私、龍夜、孝文、絵磨はリハーサルをするために、音楽室へ向かった。
 しかし、音楽室からは既に曲が聴こえてきていた。……純也先輩たちかな?
 そうおもいながら、私はそっと音楽室のドアを開けた。そして、音を立てないように中にはいる。



 「〜♪〜♪〜♪」



 私達は思わず、演奏に聴き入ってしまった。健先輩のドラムの音と共に、曲を終えた。
 思わず、拍手を送る。ようやく、3人は私達に気付いたようで「やぁ」と挨拶してきた。


 「ウチらも、練習しようか」
 「だなっ」



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 「ふぅ〜……大体、こんなとこじゃない?」
 「ですね……よしっ! 龍夜、俺たちは屋台いこうぜっ!」
 「おう」
 

 龍夜と孝文は、音楽室をでていこうとした。それを、私が呼び止めた。


 「ちょっとまってよ、いくの!?」
 「えーだって、舞台は1時からだろ? まだ10時だぜー時間あるじゃん」

 孝文はそういうと、音楽室のドアを閉めた。


 「……香織、ウチらはどうする?」
 「……行くっしょ!」
 「え?」
 「屋台屋台! クレープ、たこ焼き、お好み焼き♪」


 私はそういって、絵磨の手を引っ張って、音楽室を出た。



 「ちょ、ちょっと……昼前なのに……そんな食べて大丈夫?」
 「だーいじょうぶっ! 絵磨もどーぞ」


 私は、金券で買ったクレープを、ひときれ絵磨の口の中に入れた。



 「あっ……結構おいしいね!」
 「でしょ!? 絵磨も金券で、色々かいなよ」
 「うんっ、食べ物屋以外にも色々あるしね、あれとか」


 絵磨は、オバケ屋敷を指差した。私の血の気がサーッと引いていく。



 「えっと……それはちょっと……」
 「そー。じゃあ、ウチ1人でいってみよっかな♪」
 「えええっ、じゃあ私1人!? やだぁあああ」


 私は、地べたに座りながら、叫んでいると、隣から聞き覚えのある、優しい声がした。


 「香織ちゃん、絵磨ちゃん! 私のクラスねっ、カフェやってんの! よかったらきて!」
 「桜先輩っ、もちろんいきます!」
 「カフェ……だったら、ウチもいこうかな」


 私は喜んで、絵磨と一緒に桜先輩の教室、7年2組へ向かった。オシャレな飾りつけがしてあり、中は喫茶店みたいなかんじになっている。


 「注文は?」
 「えっと……じゃあ、メロンソーダ!!」
 「グレープジュースで」


 メロンソーダは私、絵磨はグレープジュースを頼んだ。しばらくして、頼んだ飲み物がやってきた。



 「おーい! 香織ちゃん、絵磨ちゃーん!」
 「あっ、里子先輩っ!」


 そこには、里子先輩だけでなく、店番の桜先輩を除く、軽音楽部の先輩メンバーがいた。
 私達は、その隣の机に座る。



 「余裕だよなこいつら、朝からリハもこねーの」


 健先輩が、炭酸飲料を口にしながら、そういった。



 「なにいってんのー、昨日7時まで練習したんだからねっ、先生の許可もらって」


 そういったのは凛子先輩。確かに、PinkyGirlsの4人は、ずっと残っていた。



 「……つーかさぁ、凛子、無理して無糖のコーヒーなんか飲まなくていいのに」


 里子先輩が、頬杖をつきながら、凛子先輩のコップを睨みつけてそういった。


 「私はブラックが好きだから飲んだだけだけど?」
 「飲む時、超顔しかめながら、飲んでたくせに」


 純也先輩にそういわれて、凛子先輩の顔は途端に赤くなった。それを、里子先輩が冷やかす。


 「……あっ、そろそろ店番だからいかなきゃ!」


 花先輩が、教室の時計を見ながら、席を立った。



 「8年3組の、お好み焼き屋さんなんだけど、よかったらみんなきてね!」
 「はーい!」


 花先輩はそういうと、急いで教室を飛び出した。そして、大和先輩が口を開く。



 「アイツの作る料理マジうめーの。オレらんとこ、両親あんま家いねーから、アイツが母親代わりで家事もなんでもするんだよな」
 「そうなんですかっ、花先輩がお好み焼き作るんですか?」
 「うん、任されたらしい。あいつは、調理実習でも皆から高評価受けたらしい」


 私は1度、花先輩の作った料理を食べたことがある。あれは冗談なしにおいしかった!



 「じゃあ、花先輩のとこ、皆でいきませんか!?」
 「さんせーい」


 絵磨の提案に、全員一致で花先輩のいる教室にいくことになった。