コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:         恋時計     ( No.54 )
日時: 2010/12/12 22:03
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: zc76bp3U)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/



 第14話




 12月中旬、もうすぐクリスマスで冬休み、ということで私のテンションはあがっていた。
 この住宅街にも、イルミネーションをつける家庭で溢れかえり、綺麗な光を放っている。
 私はこれをみると毎年、「ああもうすぐ、クリスマスだ」と実感する。



 「ただいま〜」




 私は学校から帰ってきて、ランドセルをそのへんに置き、リビングへむかった。


 「あ、お姉ちゃんお兄ちゃん、お帰り」


 康義が、私と隣にいる龍夜をみてそういった。康義は、可愛らしいサンタさんの飾りをもっている。
 みると、そこにはたくさんの飾りにつつまれた、ツリーがある。


 「今飾りつけ中なの?」
 「うん、一緒にやる?」
 「やるやる!」


 私は滑り込みするかのように、康義の傍に座った。
 そして適当に、星や十字架の飾りをもち、それをツリーに飾り付ける。


 「綺麗だね〜」
 「そうだね」


 飾りつけのおわったツリーをみて、私は思わずそう呟いた。



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 「へぇ、クリスマスパーティですか?」
 「そうそう! 今年もやろうよ〜」



 軽音楽部では、毎年終業式の日に、クリスマスパーティを開くことが恒例になっている。
 会場は大抵は、一番の家の広い千崎家でやることになっている。


 「今年も、桜先輩の家ですか?」
 「うふふ……実は今年はね、ちょっとすごいよ!」
 「……と、いいますと……?」
 「じゃーん! みてみて!」


 桜先輩は、何か白い紙を広げた。私はそれに見入る。



 「クリスマス……宿泊……ホール……って、えっ!?」
 「そう! 今年は、私の両親が奮発して、ホテルをとってくれたのよ! しかも、でっかいホールつき! 演奏もできるでしょ? お泊りできるし〜」
 「えっ、えっ、えっ」


 私はあまりの事態を飲み込めず、ただ「えっ」を繰り返した。
 実は千崎家、両親がすごいお金持ち……だったりする。



 「そんな……私達のために、ご両親が……」
 「いいのよ! お父さんもお母さんも、軽音楽部の合宿もかねて、的なこといってるし!」
 「俺のギターの腕もさらに上げるチャンスだ!」


 いつのまにか、純也先輩がいた。



 「あっ、そうだ! なんなら〜特別に〜……香織ちゃんの好きな人、誘っていいよ」
 「はっ!? まじですか!?」


 私は驚きのあまり、変な声をだしてしまった。まぁ……孝文いるし、誘おうと思えば誘えるけど……。


 「それだったら、辰雅もきたがるとおもいます」


 孝文がひょっこりと割り込んだ。


 「辰雅がいくなら、康義もくるかな」


 今度は龍夜。私は「そんなに大勢でいってもいいの?」と誰にいうでもなく、そういった。


 「まぁ、追加3人くらいなら、大丈夫よ」
 「おおおおっ! すげぇええええ!!」


 孝文は奇声をあげて、そのへんを飛びまわった。私は「うるさい」と突っ込む。



 「じゃあ、大和先輩も来るんですね?」
 「まぁそりゃあ、くるだろうね」


 絵磨の質問に、花先輩が答えた。



 「1回そのホテルいったことあんけど〜まじすげぇから、絶対期待しててっ!」


 里子先輩が、自信たっぷり、とでもいうような発言をした。