コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 ( No.63 )
- 日時: 2010/12/17 21:14
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
- 参照: 最後の恋にしたいと 思ってるのは 私だけかな
第15話
終業式が終わり、私達は15時ごろに荷物を持って、ホテルへ向かった。バスでいくことになっている。
ホテルが近づくと、桜先輩が「あれだよ」っておしえてくれた。
バスから降り、ホテルの中にはいると、あまりの綺麗さに驚いてしまった。
小学生と中学生で、こんないいホテルにとまっていいのだろうか、少し疑問に思う。
それを桜先輩に聴いても、桜先輩は「私の叔父が社長だし、大丈夫」とかいってきかない。
「じゃあ女子は、1127号室、男子は1237号室と1231号室ね」
「男子2部屋あるんですか?」
「男子は人数多いからね」
私の質問に、花先輩は答えた。
確かに、男子は純也先輩、健先輩、大和先輩、孝文、龍夜、康義、辰雅、優志……多い。
ちなみに、健先輩、大和先輩、孝文、龍夜が1237号室で、純也先輩、康義、辰雅、優志が1231号室。
「じゃあ私達もいきましょか」
「りょーかいっ!!」
凛子先輩が、率先してエレベーターにのると、次に里子先輩が乗った。
11階までいき、1127号室の番号がかかれたドアのガキをあける。中は、素敵なスイートルームになっていた。
私は早速、窓のほうへいき、顔を近づけて綺麗な景色に釘付けになる。ビルやマンションが並び、夜になるときっと綺麗な、夜景が浮ぶのだろう。
「お風呂は自由に使っていいからねー……19時に、ホールつきの大広間に移動ね」
「えっ、そこでなにかするんですか?」
「ご飯を食べながら、純也君たちが演奏してくれるんですって」
花先輩は、なにか白い紙をみながらそういった。
本当に豪華だなー……公立の、しかも普通の、軽音楽部員+αがこんないい思いしていいのだろうか。
「ねぇ、かおりん」
「はい」
桜先輩は、私の肩を叩くと声をわざとらしく、ひそめた。
これは、恋バナをするときの桜先輩の顔だ。
「優志君誘ったんだから、頑張りなさいよ!」
「はい、がんば……りま……す」
最後のほうの声は消えかかっていた。はっきりいって、自信ない。けどせっかくの大チャンス、逃しちゃいけない! 頑張ろう! 私は自分にファイトをいれた。
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18時50分ごろ、私達は1階の大広間に皆で移動した。そこには、既に食事が用意されていて、ステージには、楽器がセットされている。きっと、純也先輩たちが、持ってきたものであろう。
「おおおおぉおおお、すっげぇご馳走ぅううう!」
辰雅が大げさに声を上げて、そのへんを飛びまわった。つづいて、康義や孝文も飛びまわる。
「おいお前ら、下品な行動は慎め」
優志がぴしゃりと一言を放った。それがきいたのか、3人とも急に大人しくなった。それがおかしかったのか、龍夜が大声をあげて笑う。
「龍夜もうるさいぞ」
「ぶっ……すまんすまん、ぶはっ」
優志の声はいつのまにかだいぶ低くなって、吃驚した。前はそんなことなかったのに……。 ちょっと寂しい気分になった。だいぶ背も伸びたし、体格もがっしりしてきたきがする。
「凝視してないで、いってこーいよ」
里子先輩が、私の背中を押す。里子先輩は、軽く押したつもりだろうけど、私はよろけてしまった。なんとか寸止めして、こけずにはすんだ。
「ちょ、香織、何やってんだよー!!」
「うるさいばーか……てか、つまみ食いすんな」
私を冷やかす孝文は、もうすでにフライドチキンに手を触れている。そばで龍夜が「なにやっとんじゃ」って、孝文の頭を叩いた。