コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:     恋時計     ( No.77 )
日時: 2011/01/10 23:28
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:  ▼   冬休み終了とかね−ω−学校怠い、4組5組面子無理



 第19話



 9年生の卒業式の前々日、明日は卒業ライブの日。今日は先生達の職員会議で、お昼を食べて帰ることになっていた。そして今、私と絵磨は通学路にいる。でも、このままスタジオに行くことになっている。
 そこで、先輩達が私達のためにライブを開いてくれるから。けど、私達2人のために、スタジオ借りちゃう先輩達って、すごいよね……スタジオ代高いのに。

 「ここでいいかな?」
 

 絵磨がそういって、私達は建物の中にはいった。驚くことに、建物の中は異常に気温が高く、少し暑いくらいだった。私は、着ていたコートを脱いだ。

 「なんか、騒がしくない?」

 私がそういって、ドアを開けると、そこには知っている顔がずらりと並んでいて、びっくりした。私達は唖然としながら、ドア前に立ち尽くす。すると横で、絵磨が口を開けた。

 「森野、望、絵里那、美里奈、沙理、沙羅、愛可、城沢、きーちゃん、怜緒もいる……! あっ、三井君までいるし」
 「げっまぢで……ほんとだ」

 あまり会いたくない優志がいるなんて。そうおもっていると、絵里那が近づいてきて「やっほー!」といってきた。私達も笑顔で「やっほー!」と返す。やまびこかってな(笑)

 「ていうか……なんでこんなに人いんの?」
 「しらなーい、うちは新垣先輩に誘われてきた」

 絵里那は、里子先輩と同じ空手教室に通っていて、度々顔を合わして、言葉を交わすらしい。だったら、わかる……けど……? やっぱおかしい、私は楽器をセットしている、桜先輩のもとへいった。

 「あのぅ……ライブは、軽音楽部の6年の私達だけでしたよね?」
 「ええっ!? 私の知ってる6年の子って意味だよ」
 「……この人たち、みんな先輩方が誘ったんですか?」

 質問したのは絵磨。

 「ウチは絵里那と、城沢と森野と沙羅だけ誘った、あとはしんなーい」
 「里子先輩、その人たちのこと知ってるんですか?」
 「絵里那は空手、他は時々ね遊ぶのー」

 いわゆる不良グループってやつかな? ちなみに他のメンバーは口コミかなんかで、優志と怜緒を誘ったのは桜先輩ならしい。

 「……なっ、なんで桜先輩……」
 「いっぱいいたほうが楽しいでしょ、それに香織ちゃんも絵磨ちゃんも、嬉しいでしょ?」
 「えっ、いやあの……」
 「とりあえず座って、準備完了したから」

 花先輩にそういわれて、私は席に座った。すると、突然照明が薄暗くなり、桜先輩の声によってライブがはじまった。

 「6年生の皆さん! 小学校ご卒業おめでとうございまーす! 本日は私達のミニライブに足を運んでいただき、ありがとうございます! それでは早速いってみましょう!」

 そういうと、演奏が始まった。愛可あたりが五月蠅く「きゃぁああ〜♪素敵」というか飽きて「もうかえりたーい」と、叫ぶと思ったが、みんな黙って静かに、先輩達のライブに聴き入った。
 私はふと、優志のほうをみてしまった。桜先輩はなんといって、優志をここに誘ったんだろう。「軽音楽部のサービスだよ♪」とかかな……「香織ちゃんもいるんだよ、きてよっ」や、それはないよね……まぁいいや、今はこの演奏を聴くことに、集中しよ!


 演奏が終わると、大きな拍手が起こった。もちろん、私も一生懸命手を叩いて精一杯の拍手を送った。すると、桜先輩の視線は、私達のほうに注がれた。

 「私達はいつも、そこにいる七瀬香織さんと、久保絵磨さんと、他たくさんの人と、部活動を楽しんでいます! だよね? 香織ちゃん、絵磨ちゃん!?」

 みんなの視線はいっせいに、私達に注がれた。私は急にだったので、心臓が飛び出るような感覚を覚え、顔が真っ赤になった。でも一応なにかいわないといけないので「そうです!」と返事した。

 「バ香織とバカ絵磨がなー演奏するとか、ギャップありすぎだろ」

 そんなことをいったのは、森野。あたりはいっせいに爆笑につつまれた。あぁ……はずかしい! 桜先輩のあほーばかー! ジュースおごってもらうしー。

 

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 それから、3月24日がやってきた。今日は小学生の卒業式だ。私は、卒業賞状をもらい、在校生のアーチをくぐって、門を出た。……あー小学生もおわっちゃったか。

 「香織ーっ!! 一緒に写真とらない?」
 「写真!? いいねっ」

 私と絵磨は、「卒業式」とかかれた看板の前で写真をとった。


 中学の新しい制服、新しい教科書、新しい鞄。
 また新しい季節が巡ってくる。私が中学生になったら、私は、絵磨は、優志は、孝文は、龍夜は、康義は、辰雅は、先輩達は、みんなは……どうなっていくんだろう。

 また、時計の針が進んだ。