コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:     恋時計     ( No.82 )
日時: 2011/01/14 18:59
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:  ▼   バレンタインね、渡すよわたしますん




 第20話



 平成21年、4月8日。いよいよこの日がやってきた。今日は、小中合同の入学式。私は、真新しい制服を着て姿見をみて、髪型を整えたりしていた。……いよいよ今日から中学生!! 


 「よしっ!」

 
 私はそういうと、深く深呼吸をして玄関のドアを開けた。ぽかぽかと暖かい陽気が、私の体を暖めてくれる。小鳥のさえずりが、春を感じさせた。私はずっと俯きながら歩いていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。あれは……。


 「あっ、香織ちゃ〜ん!」

 桜先輩が向こうから走ってきた。つづいて、凛子先輩、里子先輩も駆け寄ってくる。私は「こんにちは!」と挨拶した。そう、2年生〜6年生と8年生と9年生は、昨日から新学期が始まっていて、今日は午後から入学式なため、もう帰り。私達と行き違いになっているのだ。

 「香織、超制服似合ってるよ〜っ」

 里子先輩が腕組しながら、私にそういった。

 「中学生になっても、一緒に部活頑張ろうね」

 凛子先輩が、私の肩をぽんと叩いた。

 そして、二言くらいはなして、私は学校へ先輩達は家へ向かって歩くことにした。……ああ、ドキドキする!! すれ違う、在校生と新入生。私と同じ新しいセーラー服や、新しい学ランを着た生徒や、親に手をひかれて歩く、可愛らしい新1年生もいる。

 学校がみえてくるにつれ、私のドキドキは最高潮に達した。……やばい!! クラスが気になるし、違う学校の子も確か来るんだよね? やっばーなれるかなぁ……とか、そんな思いでいっぱいだった。
 そして、門をくぐると、そこには顔見知りがたくさんいた。たった2週間前まで、ランドセルを背負っていたのに、今は中学の制服姿。なんだか、変な感じ。


 「香織〜っ! おはよう!!」


 前から走ってくるのは……絵磨! 私は絵磨に抱きついて「おっはよ〜」と挨拶した。

 「ねぇ、一緒にクラス表のとこいこう」
 「うん!」

 絵磨と一緒に、自転車置き場前に貼ってあるクラス表のほうに、移動した。……うわ、すごい人だかり……。あちこちから「私1組だ!」とか「俺とお前また一緒かよー」という言葉が聞こえてくる。私達は、人だかりを押しのけて、クラス表をみた。

 1組……ありゃ、ない……2組もない……3組もない、4組……あっ、美里奈と沙理と……優志!? 嘘っ!

 「あっ、うちら5組だ」
 「まじっ!?」

 5組の所を見ると、そこには……久保絵磨と七瀬香織の字が!

 「きゃあああ! うちら一緒! 絵磨またよろしくー」
 「やったねぇえ! あっ、怜緒も一緒だ!」

 他に5組のメンバーは、森野・望・愛可・沙羅・城沢・絵里那・きーちゃん。……けど、優志とまたクラス離れたかぁ……まぁ、今気まずい状態だし、丁度よかったんだけどねぇ。

 私達は、式を終えると新しい教室に向かった。教室の中は、知らない顔もいれば、知っている顔も混じっていた。すると、望が私達のほうをみた。

 「げっ! バカ絵磨とバ香織だ! またかよー」
 「またで悪かったねぇー! これで7年一緒だねー」

 絵磨が嫌味っぽく、望にそういった。すると、森野がこちらに近づいてきて、口を開いた。

 「でもバカ絵磨、よかったな! 怜緒と一緒だぜ?」
 「あっ……そ、そうだねっ……ははっ」

 絵磨は急に顔を赤くして、言葉を詰まらせた。絵磨かわぃいいいい! なんてそんなことは口に出さず、私は心の中で思う。

 「沙羅ー城沢と一緒になれてよかったじゃーん?」

 何故か5組の入り口前に、沙理がやってきて、沙羅にそういった。うぉっ、そういえばきーちゃんも、愛可と一緒だし……いいなぁ、好きな人と同じクラス。

 「香織、4組にさーちょくちょくのぞきに行こう?」
 「えっ」
 「三井君をさぁ、見たいでしょ!?」
 「うん……まぁ」

 絵磨の言葉に、私は少し顔が赤くなる感覚を覚えた。


 とりあえず、私、このクラスで1年間頑張ります!!