コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:     恋時計     ( No.151 )
日時: 2011/01/26 17:01
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼  もーすぐ3年、進路どうするよ←




 第28話



 夏休み初日、今日は午後から部活のため、私は10時ごろまでねていた。お昼ごはんを食べると、私はお気に入りのサブバックに、楽譜を入れたファイルと、水筒をいれて、家を出た。隣には、同じくサブバックと、そしてベースケースを背負った龍夜。玄関を出ると、丁度いいタイミングで、孝文と絵磨がいた。

 「はろー絵磨」
 「はろぉ香織〜!」

 私は、絵磨のところへちかづく。龍夜は孝文のところへちかづいた。

 「ぶっ……ぶふっ」
 「何孝文、人の顔見て笑うなんて失礼な……」
 
 私の顔を見て笑い出す、孝文を睨んだ。すると孝文は、龍夜に何か耳打ちをした。すると、龍夜も噴出した。……なんの話をしているんだろう? そうおもっていると、絵磨が口を開いた。

 「何はなしてんの? 教えてよー」
 「いやぁー香織も大胆行動にでるなって」
 「姉貴、いつのまに手紙なんか書いたんだ」


 ん……手紙!? まっまさか……もしかして——



 「なんで孝文が知ってるの?」

 私はおそるおそる、口を開いた。


 「家のポストに入ってたもん」
 「……はっ、はぁ!? 見るなんて最悪!」
 「まぁまぁそう怒るなよ、俺のおかんも辰雅も見たぞ、もちろん優志もなっ」
 「……あ、あぁああああああ」


 孝文のにやにやした顔がやけにムカついた。私は、「あぁああ」と連呼しながら、放心状態になった。そうだよ……そうだよ……いえのポストにいれるってことは、家族全員がみることになるってこと……なんで気付かなかったんだ! あぁもう最悪! 私は全身が火照り始めた。


 「あれ? もしかして香織、そのこと気付いてなかったの?」
 「絵磨はわかってたのー!?」
 「いや普通分かるでしょ、香織そのこと承知で手紙にしたのかなって……」
 「ちっ、ちがぁう! ……で……優志は? どうたった?」

 あんまり聴きたくないのに、何故か孝文に優志の反応を求めてしまった。けど孝文は歯を見せてニカッと笑うと、龍夜と肩を組んで先にいってしまった。

 「……なんじゃあら」
 「とりあえず、早く学校行こうか」
 「うん」


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 音楽室に入ると、まず最初にあたしのとこへきたのは、里子先輩だった。

 「香織香織っ! 返事はっ、返事はきたぁあああ!?」
 「……来たどころじゃないですよ、三井家全員に見られました」
 「えっ、それは当たり前のことじゃないの?」


 ちょ、里子先輩も気付いてたの……!? そのこと教えてほしかったぁ、がーん。きょとんとする里子先輩に、私から口を開いた。

 「返事は、来てないですよ、てか来そうにないです」
 「……よしじゃあ今日聞いてあげる」
 「えっ?」
 「サッカー部も今日練習あるでしょ? だから聴いてきてあげるっ」


 「いいです」といおうとしたときには、もう里子先輩はスキップして自分の持ち場へ帰ってしまっていた。私はもうなんか「いいや」とおもい、キーボードに楽譜を置いた。


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 「……早く終われよなーったく」

 今、私・絵磨・里子先輩・桜先輩・凛子先輩・花先輩は、グラウンドが見えるところの、玄関先にいます。まだサッカー部は、なんかみんなで集まって話し合ってる途中……ん、あっ、終わった。皆が散らばると同時に、里子先輩がダッシュでその群れに向かった。


 「あぁああ……もうやばいって!」
 「大丈夫よ、香織ちゃん」


 私は、少し怖くなって、その場にへたりこんだ。花先輩が、私に優しい言葉をかけてくれる。


 しばらくして、里子先輩がまたダッシュで戻ってきた。

 「どうだった!?」

 この声は凛子先輩。私は俯いて、顔を真っ赤にして、小刻みに体が震えていたと思う。……告白より緊張するって、どういうことー。里子先輩の声が、スローモーションに聞こえた。


 
    「 ……あーぁ……なんかね、


            保留、だって 」


 「はっ!?」


 私を含め、全員の声が重なった。ほっ、保留……? YESでもNoでもない、○でも×でもない……△ってこと? あっけにとられる私をよそに、里子先輩は話を続けた。


 「無理やり聞き出したんだよ、けど保留ですとかいって、走って逃げてった。追いかけたけど、さすが香織のいってたとおり、陸部にはいろうとしてただけあって、速いわー……」
 「……香織ちゃん、もう諦めたら? そんな優柔不断な奴なんか、香織ちゃんに合わないとおもうよ」

 そういったのは、桜先輩。だけど、私は首を振った。

 「いえ……もうちょっと……頑張ってみます」
 「そぉ、頑張ってよー?」


 そして、私達は並んで他愛のない世間話をして、帰宅した。



   なんだか……なぁ。



 もやもや、する。