コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:     恋時計     ( No.170 )
日時: 2011/01/27 17:15
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼  恋心密かやに今 夜におびえているわ 恋心/相川七瀬




 第30話



 「んおっ、メールきてる」


 パソコンの私の受信箱に、1通の新着メールが届いた。


 「 From.里子
 なんか合宿するんだってー
 詳しいことわ、また純也が明日説明するってさ´・∩
 あっそうそう…なんかね、今日のゃつ
 孝文が見てたらしぃよ(笑) 」


 「はっ」


 なっ、なんだとぉ……あいつめっ! よし、明日こらしめてやる。ふっふっふ……。

 「 From.香織
 まぢですかぃ!超楽しみです∩Д∩*
 えー孝文最悪(笑)
 明日こらしめてやる← 」

 私は、文字を打つとメールを送信した。


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 音楽室のドアを開けるなり、私はすぐさま先に来ていた孝文のところへ近寄った。

 「何?」
 「おっまぇえ〜昨日みてただろぉおお〜」
 「……あ、あのこと? フられてご愁傷様」
 「フられてねぇし! つか見てるんなら見てるといえよ!」

 私の怒鳴り声は、音楽室中に響いていた。すると隣から龍夜が口を開いた。

 「まぁあの里子先輩の迫力ときたら……皆が見ても無理ないだろ」
 「そっ、なっ、はっ」

 私は意味不明な言葉を発して、里子先輩のほうを向いた。里子先輩は「てへっ」といって、舌を出している。私は、また孝文のほうを向いて「とにかくっ、フられたとか誤解しないでよね!」と強く言った。

 「あーはいはいわかりました、ひーはー!」
 「……ちっ」

 私は舌打ちをすると、絵磨のところへ行った。絵磨に「きいてよ〜」といおうとすると、純也先輩がいきなりドアを開けて、「皆きいて————くれえ——!!」と叫んだ。

 「何その大○ライオン」
 「お前まだ昨日のやつ引きずってんの」

 順に凛子先輩と里子先輩が突っ込んだ。純也先輩はそれを無視して「合宿の概要————さぁ——!」とまた叫んだ。ぶっ……なんかウケる……最初は里子先輩も呆れていたけど、あとから全員爆笑の嵐になった。

 「そっ……それっ……ぶっ……それより、合宿の、概要っおしえてっ」

 健先輩が、苦しそうに咳き込みながらいった。純也先輩は「ほいほい」といって、皆に何かプリントを渡す。……ワードで作ったのかな、白い紙には活字がずらりと並んでいた。そこには、あのアホの、じゃなくて! 面白い純也先輩が打ったとは思えない文章が書かれていた。


 「ふむふむ……7月25日の午前11時に、西塚駅に集合……2泊3日、持ち物は……ほぉ、ふぅ、ふん」

 花先輩が、1人でぶつぶつ呟きながら、プリントを読む。

 「ねぇ、これってさぁ、誰がお金負担するの?」
 「学校、だってれっきとした合宿だろ?」
 「……え、まぁそうだけど……」

 純也先輩の答えに、桜先輩は首をかしげた。一応、合宿なことは、合宿なんだけどねぇ。

 

 「あっ、そうそう! 康義君と辰雅君も誘おう」
 「部員じゃないじゃないですか、いいんですか?」
 「いいさぁ———……ぼぇっ! ごぇ、ごほっごほっがはっ」
 「きゃははははははは! むせてやんのぉー!」

 康義と辰雅を誘いたい純也先輩、尋ねる龍夜、咳き込む純也先輩、それをからかう里子先輩……超ウケる! むせる純也先輩をよそに、他のメンバーはまた全員爆笑になった。