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Re:     恋時計     ( No.402 )
日時: 2011/02/16 17:13
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照: 思い出なんていらないよ だって今強く深く愛してるから byNO.Thankyou!!






 第52話




 休み時間。私はいつものように、ボーッとしながら机に頬杖をついていた。とくになにかするわけでもないけれど、この時間に私は慣れてしまった。……ああ、あと5分も時間がある、早く終わればいいのに! そうおもっていると、1人の女子が近づいてきた。


 「石山絵里那ちゃんが呼んでる」
 「え? ああ」

 女子はそういうと、どこかへいってしまった。私は、教室の入り口の方に向くと、そこには絵里那が手を振りながら、立っていた。私は席を立って、絵里那のところへいく。


 「どうしたの?」
 「あ……ね、はな……こ……あ……」
 「ぎゃはははっ、あははっ、ぶはああっ」


 絵里那の声は、4組の馬鹿共のせいによって、ほとんど聞こえなかった。私は聞き返し、頑張って絵里那の話を聞こうとするが、4組のやつらの声により、遮られた。

 絵里那は舌打ちをすると、「場所かえよ」といって、私の腕を引っ張った。ついた場所は、4組からだいぶ離れた廊下の端。ここは、比較的静かで人通りも少なかった。でもここで、何を話すつもりだろう。



 「あのね、話したいことがあるんだけど……」
 「どうしたの?」


 絵里那は数秒黙ると、また口を開いた。



 「きーちゃんがね、愛可と別れた」
 「はっ!?」
 「きーちゃん、朝からずっと落ち込んでる。それでね、フッたのは愛可のほうなんだけど、その理由がね……『他に好きな人ができたから』なんだって!」



 私は「そうなんだ……」といって、頷いた。絵里那は話を続ける。




 「でね、その好きな人ってのが……






          三井優志、だってさ」



 「えっ」





 私の頭の中は、一瞬にして真っ白になった。またぁ!? っていう思いもあったけれど、まずまっさきに唖然となった。私は、口をあんぐりして、いかにも驚くような、表情を見せる。


 「あ、噂をすれば。愛可……珍しく女子と一緒に歩いてる」
 「ほんとだ」



 私達は、身を潜めて、愛可たちの様子を見た。



 「ねぇねぇ〜三井優志ってぇ〜かっこよくなぁ〜い?」
 「え、あの5組の男子だよね? で、去年4組だった……」
 「そうそう! もぉ愛可好み〜やばぁ〜い!」
 「……あの人、出っ歯ぽくない? あと眉毛太すぎて……なんかきもい、全然かっこよくない!」


 女子は、きっぱりと自分の思いを伝えた。おぉ……。



 「でもぉ〜愛可はかっこいいとおもうよぉ〜?」
 「へぇ……あんたの好みわからんわ」
 


 そういって2人は、さっさと通り過ぎていってしまった。



 「まぁそういうわけよ、ねっ」
 「…………」
 「……愛可、優志にメアド聞いてメールしてんだって、うちも聞いてあげようか?」
 「えっ、いいの?」
 「いいよいいよーメアド聞いてくるわ、じゃ」



 絵里那はそういって、5組の教室に帰っていった。