コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 ( No.404 )
- 日時: 2011/02/16 18:25
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
- 参照: ▼ ばれんたいーん、さっさとしないとテストきちゃうよ(泣
第53話
昼休み、また絵里那は私のクラスにきた。また、4組の奴等はうるさい。だから、さっきのところへ移動した。特に何も「あそこへいこう」とかはいわなかったけど、そのへんは暗黙の了解ってやつ?
「きけた?」
「それがねぇー……無理だった」
絵里那はそういって、薄い眉をひそめた。私は「なんで?」と聞き返す。
「なんかさぁ、聞こうと思ったら、戸川ってゆう男子がいるんだけどね? そいつに邪魔されたの!!」
*再現(絵里那目線)*
授業が終わり、休み時間になった。あたしは、教科書を机の中に突っ込むと、すぐさま、三井の席に向かった。あたしは、不審に思われないよう、笑顔で三井の肩を叩く。男子に話しかけるくらい、ちょろいもんだよ。
「ねぇ、三井だよね?」
「……ん? あぁ、そうだけど」
「あのさぁ、とある人があんたのメアドききたいんだってーいいかな?」
三井は、腕を組んで「う〜ん」とうなった。すると、三井が答えを出す前に、眼鏡をかけた男子が割り込んできた。……たしか、戸川陽斗とかいったっけ? 三井と仲がいい奴。あたしは、戸川を睨む。
「だめだ! 優志には鈴野愛可ちゃんという女の子とメアドを交換しているんだ! 愛可ちゃん以外の子とメアド交換するなんて、この俺が許さないぞ!」
「はぁっ、ざけんな。てめぇが決めることじゃねぇだろ」
あたしはさらに、戸川をにらみつけた。一方、三井は……——
「……戸川のいうとおりだよ、ごめん」
「……はぁ!? なにそれ、そんなんじゃあんたモテないよ!?」
「モテなくてもいいよ」
*再現終了*
「ってことなんだよねぇ」
「……そっか」
「もう一押しして、聞いてきてあげようか?」
「あっ、いいよいいよ! もう……いいの」
遠慮とかじゃなくて、本当にもうよかった。なんだろう、ほんの少しだけなんだけど、少し……優志への想いが冷めてきたようなきがする。前は、姿を見るだけで、顔が赤くなって、ドキドキしっぱなしだったし、夢にもほぼ毎日、優志がでてきた。
けど今は、その回数が極端に減った気がする。倦怠期とでもいうのかな……よくわかんない。でも優志のことがすきなのは、確かだった。絵里那は「いいの?」と、目を見開かせる。
「……なんかまたあったらいってね、同じクラスだし」
「うん、ありがとう、じゃあね」
絵里那はそういって、5組の教室に帰っていってしまった。
すると、それと入れ違いになるかのように、絵磨の姿が現れた。
「あっ、香織〜! どこいってたの! 探したよ〜」
「ごめんごめん、絵里那と話してたの」
私は、絵磨にさっきのことを全部伝えた。
「そっかぁ……でも、驚きだね。愛可ときーちゃんが別れたなんて」
「でしょ!? 吃驚しちゃってさぁ〜……」
「でも、冷めてきたってまぢ!?」
「それはまじだよ」
私はそういって、窓から、青空を眺めた。青空は、憎いほど綺麗で……輝かしくて、爽やかで。まるで、あの日のことを思い出したんだ。優志がスキでスキで、しょうがなかったときのことを。
「……次、全クラス、山村体験の班決めだって。いこっか」
「うん」
私は絵磨と一緒に、教室がある階に移動した。