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Re:     恋時計 *半実話* ( No.543 )
日時: 2011/03/08 16:38
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼ 2年生もぁと11日  風邪ひいた…




 第72話(優志目線)



 「は? バンド?」


 翌日の昼休み。俺たち4人は、屋上に集まった。美里奈の言葉を、俺は繰り返して目を点にする。


 「そっ! ほらぁせっかくいつめんになったんだし、なんかまとまりのあること、やりたいなぁって!」

 美里奈は目を輝かせてそういった。怜緒も、愛可も、腕をくんで「ん〜」とうなる。俺は“バンド”のイメージを膨らませた。その……楽器をがちゃがちゃ鳴らして、キラキラしてて……みんなからの人気者! 最高じゃねぇか! 美里奈は「だめ?」と手を合わせて、念を押した。


 「俺、バンドいいとおもう!!」


 俺は真っ先に手をあげて、そういった。


 「……じゃあ、俺も」
 「愛可もやってみたいかもーっ」


 怜緒と愛可も賛成し、バンドをたちあげることが決定になった。


 「でもさ、バンドって何やるんだ? ギターとドラムがいることは知ってるんだけど……」
 「あぁ、うちね、昨日一生懸命色々調べたんだーっ! ベースとキーボードとかがいるみたい」
 「へぇー」


 怜緒の問いに、美里奈は自信満々に答えた。すると、満足そうな顔は一瞬、何かをたくらむような笑みに変わった。


 「それに……バンドなら、軽音楽部にも対抗できるしね」



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 放課後。俺たちは4人で帰宅する際、バンドについて色々話し合うことになった。


 「愛可はピアノやってるから鍵盤楽器に慣れてるんだよねぇ、キーボードやりたいなぁっ」
 「いいとおもうよ」

 愛可の要望に、異論がある奴は誰もいなかった。あとは……ギター、ドラム、ベース。……ん?

 「なぁ美里奈、ベースって何」
 「あぁ優志。ベースはね、ギターの簡易版? 言っちゃえば。弦が4本で太いの! そのかわり、押さえる指結構痛いみたい……まぁうちが調べた限りで、のことだけどね」


 ふぅ〜〜ん……そっかぁ……ほぉ〜へぇ〜。
 美里奈は吹奏楽部で、アルトサックスを吹いていて、愛可はピアノの上級者。この2人は、音楽の知識はそれなりにあるだろうし、実力もあるはず。でもおれと怜緒は、全くの初心者なんだよなぁ〜……。


 「愛可ねぇ、優志がドラム叩いてるとこなんか、みてみたいなぁっ」
 「えっ、そっか? デュフオウフコポォ」


 愛可にいきなりそんなことをいわれ、俺はニヤニヤがとまらなくなった。美里奈が小声で「キッモ……」と呟くが、無視する。俺は勢いで「ドラム! いっきまぁす!」と大声で叫んだ。


 「はいじゃあ決定ね。怜緒、どーする?」
 「じゃあギターより簡単そうなベースで」
 「えぇじゃあうちギターかぁっ! けってぃねぇ〜あ、ボーカルは?」
 「まず、楽器弾けるようになってからでいんじゃね?」


 その後も、俺たちは楽器のことについて話し合った。


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 「たっくぇえええおぎゃすばすば」


 俺は家に帰り、ネットでドラムをチェックしていた。にしても、値段……あぁああああオウフ。

 
 「優志〜だから奇声あげんのやめろって」

 孝文が呆れ顔で、部屋のドアを勢いよくあけた。……あっ、そうだ!!


 「孝文様〜そなたのドラムを貸していただけぬか! お寺のお坊さんのそっくりさ〜ん」
 「誰が寺の坊主だ。なんで貸さなきゃいけねぇんだよ」

 俺は地べたに正座し、孝文をみあげるような構図になっている。俺は、バンドを組むと説明した。

 
 「なっ、いいでしょう!? どうせ部活では学校のやつを使うのがほとんどだろ!? 俺は個人でやるから、学校で貸してもらうとか、そういうわけにはいかねぇんだ〜家にあるやつ、貸して!」
 「はぁ〜ぁ」

 孝文は眉をひそめて、不機嫌な顔になりつつも、口を開いた。


 「生まれた頃からお年玉貯金してあるやつで、買えばいいだろ! 俺だって辰雅のギターだってそうしたんだし」
 「オウフ! そ、そっかぁ! んならいますぐおかんに相談だ!」

 俺は孝文を突き飛ばして、急ぎ足で1階のリビングにかけこんだ。


 

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優志目線がやたら長いですが、気にしないでね(ぇ