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Re:     恋時計 *半実話* ( No.554 )
日時: 2011/03/13 21:57
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼ 2年生もぁと9日





 第74話(香織目線に戻りますッ)




 「……はぁ」


 
 明日は終業式。今日は海の日で学校は休み。私は、家に絵磨を呼んだ。そして、冷房の効いた部屋でジュースを飲みながら、私も絵磨も呆然としていた。なんだか、気が抜けたような、そんな感じ。



 「なんかこうさ、恋愛のない生活ってのも、良いかもね」
 「確かに!」


 絵磨の言葉に、ようやく私は我に返った。
 完全に優志を諦めた、といえばうそになる。前ほどじゃないけど、時折、優志を思い出して、いとしくなる。そして、その隣にいる愛可を思い出して、胸が痛くなる。切なくなる。でも、もう好きじゃない、好きじゃないんだ。


 その時、ドア越しから声がした。私は返事する。


 「入っていい?」
 「いいよ」


 すると、龍夜が何気ない表情で、部屋に入ってきた。白いランニングに、黒の短パンをはいていて、汗でびっしょりなため、髪もべたついている。私は「シャワー浴びたら?」と尋ねると「あとで」と答えた。



 「あーすずしー……ふぅ〜」
 「ちょっと、汗臭いからまぢでシャワーしてきてよ」
 「いいじゃん」

 龍夜はそういって、この部屋から離れようとしない。


 「ライブまであとちょっとだねー」
 「ですね。俺はもうまぁ、ほぼ完璧です」
 「すごーい! うちも帰ったら発声練習しよ〜」


 絵磨と龍夜は、他愛のない会話を始めた。すると、龍夜が何かを思い出したように「あっ」と声を出し、私のほうに視線を移す。私は「何」と呟いた。


 「この前、孝文の家いったんだけどさ」
 「うん」

 何を話すんだろう……龍夜は話を続けた。



 「優志ってなんか、もう彼女いるらしいぞ」
 「彼女の写真みせてもらったんだよー!!」


 そういって、康義が割り込んできた。青のTシャツ、白の短パン。やっぱり汗びっしょり。康義は、ちゃっかり龍夜の隣にすわり、私のジュースを口にした。


 「……知ってるよ、鈴野愛可でしょ」
 「あれ!? 知ってたのか。で、写真見せてもらったんだけど」


 *回想*



 クーラーガンガンにしながら、孝文の家で只今、俺、孝文、慶一、壱、幹生、康義、辰雅が集合して、リビングでゲーム中〜〜! まぁモ○ハンとかそのへん。すると突然、リビングのドアが開いた。



 「デュフ、デュフ、ヂュフフフフフフ」
 「なんだきもちわりぃ、あっちいけや」

 
 姿を現した優志に、孝文が罵声を浴びせる。


 「オウフオウフ!! みんな聴いてくれ」


 優志は、出っ歯をさらに出っ歯らせながら、そういった。皆は、優志へ視線を集中させる。


 「実は俺に……彼女ができましたぁあああああ!」
 「えっ、まぢで!?」
 「すげぇ」
 「うぉおお〜」


 みんなは驚いて、ゲームの手をとめ、優志のところに近寄った。俺も優志に近寄る。


 「で、どんな人?」


 俺が尋ねると、優志は「ちょっとまって」といってどこかへ去っていった。しばらくして、戻ってくると優志は、何かを取り出して、俺たちに見せた。


 「この写真の右から2列目。で、あとこのプリクラ」


 写真には、ショートカットでかまぼこみたいな黒髪で、前髪を七三わけにしている女子の姿があった。趣味の悪い服をきて、ピースサインをしている。プリクラは、優志と2人で写っていて「LOVELOVEだよぉ! 優志13歳 春小中8の5! 愛可14歳 春小中8の3! 永久不滅〜だぃすきだょぉ」とかかれていた。



 「うわぁ……すっげぇブス!!」


 辰雅がしかめっつらでそういった途端、俺たちは笑った。ぶっ、ブスって!!


 「でもたしかに! 趣味わりぃ〜〜」
 「なんかぶりっこきめぇ〜」
 「どぅははははははは!!」
 「愛可とか最悪だ、ぶすぶすぶすぶすぶきもい」
 「最悪〜〜」


 俺たちは、散々愛可を批判しまくった。



 *回想終了*




 「なんじゃそりゃ」
 「散々批判しまくったから、別れたかも」
 「や、そりゃないしょ」


 龍夜の推測を、私は否定した。



 つーか……ちょっといい気味とおもうんだけど、私。



 「でも龍夜君も康義君もよくいったねぇ〜。三井、傷ついてなかった?」
 「いやぁ、なんか『デュフデュフデュフお前等最悪うぜぇ』っていいながら、どっかいっちゃいました」
 「そりゃあちょっとかわいそうだよ……面白いけど」


 絵磨と龍夜と康義がそんな会話を繰り広げた。