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Re:     恋時計 *半実話* ( No.567 )
日時: 2011/03/15 19:52
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼ 2年生もぁと7日




 第76話




 「失礼しまぁあああああす!!」
 「…………」



 音楽室に現れるはずのない姿。
 私達はただただ、沈黙をうかべることしかできなかった。


 「あの、何か用?」
 「はい用があります!」


 純也先輩がおそるおそる聞くと、1人の女子が答えた。女子の名前は、美里奈。後ろにはドヤ顔の怜緒、優志、愛可がいる。そう……変な人とは、こいつらのことだった。


 「俺たち打倒軽音部を目指してまして。俺たちの演奏を聴いてください!」
 「はぁ? 意味わかんないんだけど」


 優志の言葉に、里子先輩がキツイ一言を放つ。そんな里子先輩におびえたのか、優志は「シァ-セン……」といって、2・3歩後ずさりした。そんな優志を無視して、愛可がずいっと前に出る。


 「聴かなかったら、私達の上手すぎる演奏を聴くことが怖い! ってことでいいんですね?」
 「……っ、意味不。でもさ……」

 健先輩は、話を続けた。


 「せっかくギターとベースかついできてんだから、一応聴いてやろうぜ」
 「まぁ……そうだね、一応ね」
 「さっさとやって、さっさと帰れよ」
 「早くして〜」
 「キーボとドラムは貸してあげるから」


 皆は思い思いのことばを、口々にいう。すると美里奈たちは、ガッツポーズをして「バンド名は平安ズです!!」とドヤ顔で叫んだ。……ぶっ、平安ズって……。これからこいつらのこと、平安って呼ぼうかな。


 「何の曲やんの〜?」


 凛子先輩が席に座って頬杖をつきながら、尋ねた。


 「リンゴの歌です!ウッホン」
 「リンゴの歌?」
 「あ、なんかしってる! 戦後直後に流行った曲でしょ」

 桜先輩がそういうと「戦後直後!?」とみんなの声がハモった。


 「じゃあいきまぁ〜すっ!!」


 美里奈がそういうと、演奏が始まった。
 美里奈はギターを一生懸命弾いているけど、音が若干ズレてまっせ。怜緒のベース……テンポがズレてまっせ。優志のドラム……リズムおかしいでっせ。唯一、ピアノの経験者の愛可だけが、華麗に綺麗に弾いて見せた。


 「……終わり! どうでしたか?」
 「キーボードが綺麗だった。あとは……うん」
 「ドラム下手糞〜」
 「ベース変」
 「ギターおかしい、ギターなめんな」
 「バンドなめんな」
 「なんか色んな意味ですごかった」


 絵磨、孝文、龍夜、康義、辰雅、私の順で感想をのべた。聴いた瞬間、優志の顔がすごい形相になった。ゴリラみたい……いやなんでもない!! 美里奈は「うるさぁああああい!」と叫び、そのまま4人は片付けて出て行ってしまった。



 「……えーと……さっきのことは忘れて、練習、しようか」
 「はい」
 「うん」


 純也先輩の一言で、私達はライブの練習にとりかかった。