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Re:     恋時計 *半実話* ( No.604 )
日時: 2011/03/22 14:59
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼ 2年生もぁと3日



 制限時間は80分。最後まで残った人には……賞金500円がもらえる。



 「たったの500円かよ」
 「何いってんだ、天見。500円つったらな、漫画本1冊買えるぞ。雑誌だって買える」


 2人で、校舎の隅に隠れていた天見と米野は、会話を繰り広げていた。



 「え、じゃあピーな雑誌も!?」
 「うん」
 「ピーな漫画も!?」
 「うん」
 「うほおおおお! おし、俺等2人で生き残ろうぜ!」
 「うん」


 鼻息を荒くして、興奮する天見。しかし……背後には、なぜか森野が。


 「みぃつけた」
 「……っ!! も、森野!? な、なんで!?」
 「お前等の声。聞こえちゃったんだよね〜」
 「ぎゃあああああー! ピーな漫画かえなぃいいいいい」

 
 森野は、恐ろしい笑みを浮かべて……ブチブチブチッ!! すごい勢いで、2人の眉毛をもぎとった。


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 「今、ピーな漫画かえないぃいいいって聞こえたよね」
 「聞こえた聞こえた」
 「天見の声ぢゃね?」
 「捕まったんだね、あーあ」
 「かわいそ」


 女子トイレに集まっているのは、美里奈、愛可、里香、沙羅、沙理の5人。


 「うち眉毛なくしたくないし!」
 「うちも! 細い眉はいいけど、全そりはやだよね〜」
 「それうちへの批判?」


 沙理と沙羅の言葉に、美里奈が首を突っ込む。


 「いやぁ〜美里奈はそれでいいかもだけど、うちらはやだよ」
 「えぇ〜! うちだって顔に落書きとかやだし」


 美里奈は、愛可の肩をぐらぐら揺らしながら、叫んだ。



 「でもここにいたらいずれ捕まるっしょ、みんな! 散らばろ」
 「そうだね」


 里香の言葉で、5人はトイレを抜け出した。美里奈&愛可、沙理&沙羅&里香の二手に別れて……。


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 「うちら絶対、三井優志の眉毛とるよ!」
 「うんうん!! あいつに眉毛とられたしねぇ〜」
 「でも極太だから、とるのに手こずりそう」


 由良、優、愛奈はそういいながら学校の廊下を歩き回っていた。
 しかし、優志はおろか、人っ子一人いる気配がない。
 ……本当に皆、どこにいったんだろう? そんな不安がよぎった。



 「……フ、デュフデュフデュフデュフ」
 「ん?」


 遠くのほうで、人影が3つ現れた。その人影は奇妙な声をだしている。


 「あ、あれって……」
 「うん! 三井優志だよ、絶対」
 「あとの2人は、姫吉怜緒に戸川陽斗だ!」


 3人は小声で呟きながら、小走りで、3人にどんどん近づいていった。
 聞けば、優志は小学校の頃50M走7秒台で、陸上の市大会で3位の記録を残したらしい。
 部活は、陸上にしようか、サッカーにしようか、悩んでいたらしい。
 せっかく陸上用品をそろえたのに、結局サッカー部にはいったのだ。



 そんな優志に、走りでおいつくわけがなかった。
 3人は、鍵のかかっていない教室に身をひそめ、3人がこっちにくるのを待った。


 「……今だ! いくよ! 優、愛奈」


 3人が飛び出したと同時に、由良は優志、優は怜緒、愛奈は戸川の眉毛をひっこぬいた。


 「ドフヒャアアアアア」
 「デュヒャアアアア」
 「ベロッシャアアアア」


 3人は、ものすごく変な顔になりながら、はたまた奇妙な声をだした。


 由良、優、愛奈は笑顔になりながら「やったぁ〜」とハイタッチしあった。