コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 *半実話* ( No.626 )
- 日時: 2011/03/24 13:50
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
- 参照: ▼ 2年生もぁと1日
第81話
「そういう凛子と里子はさぁー好きな人いるわけ?」
桜先輩が、ジュースを飲み干して2人を見ながら言う。凛子先輩は「いるよぉおおデロ」里子先輩は「いねぇし」と顔を真っ赤にして、ふざけながらそういった。
「まぢ!? 凛子、誰よ」
「塾の人。他校だし、あんま会えないけどーやっと、純也君から違う恋に進めたかんじ?」
「へぇ〜……里子はいないの?」
「いらねぇしー、男一瞬ダチ一生、これモットー」
里子先輩はそれだけいうと「デロロ」といいながら、ベットにダイブしてしまった。つづいて凛子先輩も、上に乗っかって横になる。……しばらくして、静まり返った部屋。……どうやら、2人共寝ちゃったらしい。
私は「桜先輩は」と切り出した。
「……まだ、純也先輩のこと、好きなんですか?」
「! っ、う、うん、まぁ……でも」
桜先輩は急に俯いて、何かを話しはじめた。
「アイツ鈍感でしょ? やばいほど。告白しても……気付いてくれないし。ああいうタイプは一生独身なんじゃないのかねー……仕方ないから、諦めたいんだけど、やっぱ無理なかんじ」
「そうですかぁーでも、純也先輩も男ですよ!」
絵磨が桜先輩を励ます。が、桜先輩は俯いたままで、別の話を切り出した。
「そ、そういえばね、明日……軽音楽部の皆で花火大会、行こうと思うんだけど、行く?」
「おぉいいですねぇ〜夏の風物詩! でも、遊んでて大丈夫ですか?」
「いいんだ。花火大会が終わったら、夏休みはもう部活ないし。勉強に集中するつもり」
桜先輩はそういって、机に散らばっている参考書やら、ワークやらをみつめた。“高校入試過去問”“中学数学要点復習”などなど、高校受験に関する書類が、並べられている。
「最後の、思い出として。せめてこのメンバーで楽しみたい」
「……最後の」
「ですか」
私も絵磨も急に、しおらしくなった。卒業、いつかは卒業しちゃうんだ。
「やだっ、そんなどんよりしないでよ! まだ引退まで時間あるし、卒業してからもたまぁに遊びにくるからさ! 永遠の別れじゃないでしょ? ほらっ、花火大会たのしもっ」
「そうですね!」
とはいったものの、私はなんだか急に悲しくなってきた。