コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 *半実話* ( No.720 )
- 日時: 2011/04/09 16:01
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ 春休み中更新っていってたのにね、番外編
私はそのあと、家に帰ってベットで寝ていた。起きたら、もう7時を過ぎている。私はいそいで服を着替え、髪を整えて、1階に下りた。案の定、誰もいない。
それもそのはず、私の家は父子家庭。実は、半年くらいまえ……私が、誰からもいじめられなくなった時、両親は喧嘩が絶えなかった。原因は、私には教えてくれないし、あえて私も聞かないけれど……母は、出て行ってしまった。
父は仕事で忙しく、私はいつもコンビニ食やらスーパーで買ったものやらを、晩御飯にしている。もちろん、父が休みの日は、父お手製の料理を食べている。
「……さて、いくか」
テーブルに置かれた1000円札を財布にいれ、戸締りして、外に出た。
街灯だけが照らす、夜の道。住宅街だけれども、少し歩けばコンビニはある。やがて、きらびやかな灯りに包まれ、人の多い通りにでた。……コンビニまであと少し、そのときだった。
「やっぱ新垣だ!」
「っ!!!」
突然私の顔を覗き込む人がいた。私はビックリして、後ろに吹っ飛ぶ。そして、相手の顔を睨んだ。……って、
「……新藤、健?」
「あったりぃ〜お前こんなとこでなにしてんの」
「コンビニで買い物、そこどいて」
私は健を突いた。すると健はとおせんぼうしてきた。
「なんなの」
「俺もだよ! 母ちゃん出て行って、父ちゃんしかいないから」
「えっ」
私は思わず、まぬけなこえをだした。
「それ、まぢなの?」
「まぢまぢ、えっと詳しい話は……まぁあとで」
「……私もなんだけど、父子家庭」
「えっ、まぢで!?」
**
そして、どういうわけか、健の家についた。
「結構片付いてるじゃん」
「こうみえて俺、清潔だからなっ、まぁそこ座れや」
私は、椅子に座ってテーブルのうえに、コンビニで買ったものをとりだした。
「いつもは学校に金もって行って、帰りにスーパー寄ってるんだけど、今日は忘れちゃってな〜コンビニにしたわけだ」
「ふぅ〜ん……」
しばらく沈黙が続いたあと、また健は話し始めた。
「お前さ……軽音楽部はいるつもりない?」
「う〜ん……考え中、なんか変な奴いるし……」
「変な奴って誰のことだよ」
「……あんたのダチ、まぁあんたもだけど」
私はそういいながら、サンドイッチを食べる。
「失礼な……あいつらは良い奴だよ」
「そんなのわかるわけないじゃん、人をむやみに信用したくない」
「……なんか、お前俺とそっくりだ」
健は急に、真剣な顔になった。そして聞いても無いのに、自分のことを語り始めた。
「俺は2年生のときに、父ちゃんと母ちゃんが離婚したんだ。なんか……すっげー寂しかった。俺、元々ダンスやっててさ。こんな茶髪にしたり、ちょっと派手な格好してるんだけど、それが怖いのか、誰も寄り付いてこなくて……」
その後、4年生に進級したとき、教室で休み時間にとある音楽雑誌をみていた。元々、健もちょっとバンドに興味があったらしい。それをみかけた、純也が健に話しかけ、それから桜や凛子とも仲良くなったらしい。
「まだ出会って1ヶ月も経ってないけど、なんかわかるんだ。あいつら本当に、誰にでも優しくて、楽しい奴らなんだ。でもまだ、半信半疑なこともある。裏切られたら、そんときはそんときだ。今、俺はあいつら3人を、友達だと思ってる」
こんなかっこうして、こんなことをいうなんて。なんでだろう、すごく胸に残った。
「私、ひどいこと、しちゃったな」
「ん?」
「今日、『いやぁ』とかいって逃げちゃったでしょ」
「あぁ……あれな。あのあと、桜たち困ってたぞ」
「やっぱり……もう私なんかには、関わってくれないでしょ」
「……明日、話しかけてみろよ」
「え」
話しかけてみる……?
「俺もついてやるから、あいつならわかってくれるさ」