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Re:     恋時計 *半実話* ( No.776 )
日時: 2011/04/15 21:25
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼ 1年1組いきたいんだけども、OK?




 第92話




 「会いたかった〜会いたかった〜会いたかった〜いえ……あれ!?」
 「怜緒、あんたが歌うとキモい! みてらんない」


 怜緒がブリブリした仕草で、AKBを歌うのには、どうしてもみんな耐え切れなかった。そんなみんなを代表して、美里奈はとうとう、「演奏停止」ボタンをおしてしまったのだ。


 「んなら美里奈! なんか歌ってみせろ! のかわり、下手糞だったら停止するぞ!」
 「いいよ? んじゃあ、うちエグザイル歌うし〜」


 美里奈の歌は、特別うまいってわけでもないけど、下手ではなかった。



 「おぉ〜美里奈、すげ」
 「結構うまいじゃん」
 「エグザイル〜」



 歌が終わると、みんなから歓声があがった。怜緒は悔しそうに、それをみつめる。



 「んと……次は、ん? なにこれっ」
 「あ、おれおれ……チャッチャラチャ〜チャ〜チャチャ♪」
 


 戸川が前奏まで歌い始めた。……この曲って……——


 「おジャ魔女へんし〜ん♪どっかーん♪」
 「ブハハハハ!ぎゃはははははははっ」



 戸川……アニメソング……おかしくなって、私を含め皆は大爆笑しはじめた。ぶっ……戸川、アニソンって。



 「なんだ! 人が歌ってるのに笑うな!」
 「だってだって、おジャ魔女……ぶっ」


 間奏のとき、戸川は険しい表情で叫んだ。そして、歌が始まるとまた真剣に歌い始めた。



 「……つっ、つぎ、誰?」
 「あ、俺です」



 辰雅が手をあげて、マイクの電源をいれた。画面には「ポニーテールとシュシュ」の題名が。……はっ、忘れてた! そういえば最近辰雅、AKBに興味持ち始めたんだった!


 「ぽぉにぃてぇる〜」
 「え、辰雅AKB歌うんだ、意外」
 「ファンなんだよ、ともちんが好きとかいってた」
 「へ〜」


 慶一と孝文がボソボソ会話を始めた。



 「おい辰雅! AKBの曲で知ってるの全部やっちゃいな!」
 「はいさ〜」


 龍夜のこの一言で、辰雅のAKB曲ばかりを聴かされることになった。ちなみに私は、Julietなどまぁ最近の奴、絵磨は色々……龍夜と孝文はデュエットでばっかり歌って、慶一は妙に上手い。康義は、あんまり歌わないし、美里奈はエグザイルとかバラード。怜緒は妙に男くさい歌を歌い始め、戸川はアニソンばっか……。



 「なんかみんな、ジャンル違うね」
 「ま、そりゃ好み違うから」
 「でも戸川のアニソンはちょっと勘弁してほしい……」
 「んだと!」



 私はボソッといったつもりだったけど、どうやら聞こえたらしい。



 「おっしゃあ! じゃあ俺らでバンドでコピったやつ、うたってこぉぜ! まずlisten!!だ!」
 「おぉおおお!」



 孝文がマイクで叫ぶと、龍夜が立ち上がった。康義も辰雅も、絵磨まで立ち上がったので、私までたった。まず、1番のAメロが絵磨、Bメロが私、サビが2人で。2番Aメロ龍夜、Bメロ孝文、サビ2人。そしてさいごの大サビらへんが、康義と辰雅。



 「……今変なメンバーとカラオケなぅ、一応あげぽよ〜っと」
 「愛可にメール……今度プリとってたらみせろよ〜っと」
 「……次は演歌でもいこうかな」
 


 美里奈と戸川は携帯をいじり、怜緒は選曲に必死。



 「きいてなかったのかよ!」
 「あ? あ?」
 「あ? じゃねぇし」
 「……おっしゃあ! 俺のアニソンまだまだ続くぜ! 次は……」
 「まだやるのぉ〜?」



 波乱万丈……でも、時間が過ぎていくのが速い気がした。