コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 *半実話* ( No.816 )
- 日時: 2011/04/19 23:00
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ 絵磨と℡楽しみだわ(笑
第98話
11月に入り、もうすぐ文化祭。今、学校中はその準備で大忙し。文化部は発表するために、作品作りや練習に励んでいる。クラスみんなで出し物をするために、その時に必要なものを用意もする。私のクラスは、どうやら喫茶店をするらしい。
「そういえば、花先輩卒業しちゃったから、今年は花先輩の料理食べれないね」
「ほんとだ〜……でも、花先輩文化祭の日、きてくれそう」
部室での休憩時間、私と絵磨はそんな会話を繰り広げた。
「あの〜ここのとこなんですけど〜」
音楽室中に響き渡る、孝文の声。楽譜を持って、里子先輩と健先輩に何か尋ねていた。わりと熱心なんだな、って今更気付く私遅すぎ! でも入部して2年で、もうかなり上手いもん。なんか……かっこいいなぁ……なーんて! うち、きもっ!
「香織、みてますねぇ〜孝文君を」
「ぎょっ、ま、まぁ、まぁ、ね」
絵磨に突然からかわれて、私はビックリした。そんな私をよそに、絵磨は別の話を切り出した。頬杖なんてついて、おだやかな表情で。私は、改めて絵磨をみつめる。
「でもさぁ……もう来年は、いないんだよね、先輩たち。今まで当たり前のように、部室にいたけど……来年はもう、うちらが最上級生なんだよね」
「……そうだね」
部室で大声をだしながら、踊り狂いギターを弾く、純也先輩。それにノリノリの健先輩。熱心に楽譜をみる、凛子先輩。笑顔の桜先輩、頼りになる里子先輩。入部したての私を、暖かく迎え入れてくれた。今ここにいないけど、OBやOGの先輩たちだって。
「なーんか不安だよね。うちら上手くやってけるかな? 来年新入部員はいらなかったら、どうしよ」
「困るよね〜……バンドで重君とか、1人になっちゃうし」
先輩たちと楽しそうに談笑する、重君。花先輩の料理が食べたいといってこの部にはいったんだけど、今では音楽だいすきっこ。先輩が卒業してしまうのは、やっぱり重君もきっと、哀しいと思う。
「さっ、しんみりしてないで練習しよ、練習!」
「そだね」
私は自分を元気つけるため、キーボードの電源をいれた。文化祭、絶対に成功させる! まずはそこに集中しよう。全ては、そこから。そのあと、はじまるんだ。