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Re:     恋時計 *半実話* ( No.842 )
日時: 2011/04/23 22:08
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼ スキャンダルなんてブッ飛ばせ!←





 番外編「My memory」



 *香織目線*





 2003年、4月。いよいよ、私も小学生!! 入学式を終えて、まだなれない生活に、慣れようと、私は毎日頑張っていた。クラスは1年3組。家にいるほうが気楽だから、学校に行くのはちょっとやだけど……でも、上級生の人たちに、遊んでもらえるのは、やっぱり楽しかった。



 「七瀬さん、帰るぞ」
 「うん」




 帰りのあいさつをして、みんなが教室から出て行く。そんなとき、三井優志が声をかけてきた。優志は、私といっしょで、11月の時に引っ越してきて、家も近所。学校では何故か、苗字で呼んでくる。なので、私も学校では、優志のことを苗字で呼んでいた。




 「なぁなぁ、今日俺んちな。龍夜と康義も連れてきて」
 「うんわかった、またポケモンやらしてね」




 優志の家には、私の弟と全く同い年の弟が、2人いる。小1、年中、3歳……というふうに、ちょうど2年ごとに年齢が離れているんだよねぇ。優志はポケモン持ってるけど、私はもってないから、羨ましい。



 「おっじゃましまぁ〜〜すっ!!」






 私は、学校とは違うテンションで、優志の家の中にはいった。そう、私はいつも学校では、あんまり喋らない。なんか恥ずかしいし、みんなの前で発表……とか絶対無理! でも、優志とかにはもちろん、家族とかには、本当の自分を見せる。




 「なぁ香織、なんかしようぜ」
 「なんかって何」
 「なんかっていったら、何か」
 「だから何」
 「だから何か」



 幼稚園にはいったばかり(2年しか幼稚園いかないらしい)の孝文が、私につっかかってきた。こいつ〜〜っ、チビのくせに、口だけは達者。私は、適当に喋って、お菓子を口の中にいれた。



 「デジョジョジョ……えいっ」
 「いたっ」



 まだ2歳(誕生日来たら3歳)の辰雅が、急にお菓子を私に投げてきた。いったいなぁ〜っ! もうっ! 怒ろうと思ったら、今度は康義が「ボボボボボ」とかいいながら、投げてきた。いってえぇえええ〜!



 「こらっ、お菓子を粗末にすんなっ」
 「おぉ〜お姉ちゃん怒ったぁ〜」
 「うるさい」



 龍夜が、げらげら笑いながら、私をおちょくる。こいつぅうう〜〜! 康義と辰雅は、ろくに言葉は喋れないけど、一緒になって、ゲラゲラ笑っていた。……もういいよ、もういいさ! ふんっ。




 「優志と香織ら〜ぶら〜ぶっ、フゥッ! なぁ、2人ラブラブでよくね? ラブラブなれよぉ〜〜」
 「「やだ」」



 孝文の突然の意味不な発言に、私と優志はとっさに口をそろえた。だーれがっ、こんな優志なんかと! 私は、知っている。優志は、ほんっとに性格悪い。喋ると楽しいけど、性格悪い。ときどき、なかされる。



 「もーいい! つまらん! 帰る!」
 「オヒョヒョ、電話するから、龍夜と康義迎えにまたこいよ〜」



 優志の言葉は無視して、私は帰ることにした。今思えば、こういうささいなことでも、もう二度と時間は戻らないんだよね。あのときは、当たり前に、こうしてみんなと遊んでたけど……——





 私の、My memoryが今、はじまる。