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Re:     恋時計 *半実話* ( No.891 )
日時: 2011/04/29 20:03
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼  自分磨き、研究中...





 


 私は、ジャンパーを羽織って、外に出た。夕方6時過ぎだから、もう真っ暗。街灯に照らされながら、私は優志の家までの道のりを、走った。歩きで30秒、走ったら10秒くらい。3軒隣にある、優志の家。私は、息を切らしながら、チャイムを鳴らした。



 「いらっしゃ〜い、入って入って」
 「はい」



 私は、とりあえず家の中にはいった。リビングにいくと、近所の主婦たちの井戸端会議が繰り広げられていた。テーブルには、お茶とお菓子。私もその隣に、居座る。子供はどこにいったんだろ?



 「優志たちはね、2階にいるよ」
 「あぁ……そうなんですか」
 「誰がきたん!?」



 突然、リビングの入り口から、子供軍団が顔を出した。さっきのチャイムの音に反応して、みんなこっちにきた。私はとりあえず笑顔でピースサインして「私だよん」といってみる。



 「……姉ちゃんまぢで来たのか」
 「なんだ、香織か」
 「おもんな!」
 


 「別に面白くなくていいじゃん」と、私は龍夜、孝文、康義に言い返した。後ろには、辰雅や優志や大勢の近所の子供がいる。なんでよりによって、みんなここに集まっているんだ。私はそう思いながら、お菓子をつまんだ。






 「そういえば今日ってさ〜バレンタインだよね」
 「本当だ〜あっはっは〜」




 あぁ……そっか、バレンタイン。まぁ、もう渡したしどうでもいいけど。





 「ちょっとこっちこい」
 「えっ」




 急に私は、引っ張られて、玄関のところまできた。玄関は電気がついてないから、薄暗い。みんなは、ニヤニヤ表情を浮かべながら、なにがいいたげに、私に近づいてきた。


 「なに!? なんなの」
 「チョコは? 優志に」
 「はぁ? そんなんないから、意味わからん」



 孝文に聞かれて、私はわけがわからず、そういった。



 「え、チョコ渡すためにきたんじゃないん?」
 「……違う、けど?」


 龍夜は目を見開いて、尋ねてきた。



 「じゃあなんのためにきたん?」
 「……ノリ? みんなきてるからうちもーってきな」
 「いやいやノれてないし、女子1人な時点でノれてない」


 誰が男子がそういうと、周りは爆笑。……っ〜〜〜!! 私は「お菓子食べにリビングいくから、そこどいて」といって、通り過ぎようとすると、康義辰雅に腕を引っ張られた。




 「本当にない!?」
 「ないんだってば! ない」
 「ふぅ〜ん……残念だなぁ」




 辰雅が急にそういったので、私は思わず振り返った。





 「優志、朝から『香織からもらえるかなぁ〜』ってずっとずっと、いってたんだよ。優志も、もらえるもんだとおもって、浮かれてたよ。毎年もらってるしさ。でも、今年はないんだ」
 「……え」




 私は、固まった。




 「それ、まぢなの?」
 「まぢまぢ! うっひょ」
 「……へぇ」



 

 その途端、私は今年はあげなかったことに対し、複雑な気分になった。