コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 *半実話* ( No.906 )
- 日時: 2011/04/30 19:21
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ 自分磨き、研究中...
「で、新歓ライブが終わったわけだけど!」
部活の時間、音楽室の椅子に座りながら、里子先輩が話を切り出した。今日は、新入生歓迎行事があって、全学年参加なので4年生への、部アピールも兼ねて、先輩たちが演奏をした。すると、大和先輩がためいきをついた。
「新しい人、くるかなぁ……」
「無理でしょ!! 去年も新入部員ゼロだったし!」
花先輩が、諦めの表情を見せた。
「廃部になったらどうするべ」
「廃部の心配はないでしょ! こんなにいるのに〜」
表情を曇らせる健先輩に、凛子先輩は笑顔でフォロー。そこで、純也先輩が口を挟んだ。
「このまま誰も入らないで、俺たちが卒業したら、廃部確定だ。なんせ、軽音楽部はバンドの組める、3人以上の部員がいないと、廃部になるからな。七瀬と久保は、人数の関係で、2人でバンド組んでるけど。だから、廃部の可能性もでてくるわけだ」
純也先輩のまともな発言に、私達は「う〜ん……」とうなった。
「私達も色々声かけてみるけど……香織ちゃん、絵磨ちゃんも声かけたりしといてくれる?」
「あっ、わかりました!!」
桜先輩にそういわれて、私も絵磨も頷いた。
「そういえば、香織んとこ、4年生になる弟いたよね?」
「うん、龍夜ね」
帰宅途中に、絵磨と私はそんな会話をしていた。
「でもはいってくれるかなぁ?」
「一応いってみたら? 案外いけるかもよ!」
「う〜ん……一応話しとく」
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「ってことで! 軽音楽部はいってくれない?」
「はぁ? なんで?」
私はとりあえず、両手を合わせて龍夜にお願いしてみた。龍夜はまぬけ面になりながら「はぁ?」と、いうだけ。……無理かなぁ……あー先輩に頼まれてるのに。半ば諦めかけたそのとき。
「軽音楽部って、どんなことするの?」
「演奏。楽譜が読めなくても、楽器ができなくてもOK牧場! 優しくてカッコイイ先輩たちと、バンドで青春しませんかっ! っていうのが、軽音楽部のフレーズ」
このフレーズは、純也先輩が考えたもの。なんか、部紹介するときに必ず言えっていわれたから……。
「なんかそのフレーズ鼻につくけど、孝文と一緒ならはいってもいいかな」
「おっ! まぢで!? よっしゃ!!」
私は思わず、ガッツポーズをとってみた。
そして翌日の昼休み……私・絵磨・龍夜・孝文は何故か、グラウンドに集まっていた。
「えぇ〜……俺、野球部はいるからパス」
「運動部と文化部、かけもちできるよ」
「え〜……」
「孝文がはいらんなら、俺も入らん」
げぇえええええええっ! まぢで!? それは、入ってもらわないと困る!!
「入ってもらわないとさ〜やばいんだよ! 廃部の危機!」
「……じゃあ、こうしよう!!」
絵磨がそういうと、龍夜はいきなり目を輝かせて、何かを提案しはじめた。
「俺たちは、軽音楽部にはいります! でもそのかわり……」
「そのかわり?」
「賭けしよう」
「え〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!」
「いいね〜それ」
賛成したのは孝文。私と絵磨の声がハモる。絵磨は「じゃあ、まず見学してみたら?」と提案したけど、2人は首を横に振って「見学はしないです」と、口をそろえた。
「なんで?」
「そのまま入部して、こんな賭けするんだ」
「どんな賭けや」
「入部して、面白くないとおもったら、姉貴が俺たち2人に100円払って。そのかわり、面白いな〜とおもって、1ヵ月以上続いたら、俺たち2人が50円ずつやるよ、合計100円」
「はぁ? なにそれっ!」
龍夜のとんでもない提案に、私は開いた口がふさがらなくなった。
「別にしなくてもいいんだぜ? 別に俺そこまで入りたくないし」
「そんな中途半端な気持ちで——」
「じゃあ、廃部なってもいいのかよ、今年も2人でバンド、さみしくね?」
孝文が、悪魔みたいな表情を浮かべた。こいつら! 怖い!!
「わっ、わかった! じゃあ、そうしよう!」
「よっしゃあ〜じゃあ先生から入部届けもらいにいこ〜」
そういって、2人は走りながら職員室へ向かった。