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Re:     恋時計 *半実話* ( No.937 )
日時: 2011/05/08 00:46
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼  DIET頑張る〜





 第103話





 「えっ?!」




 私、絵磨、龍夜、孝文、康義、辰雅の声が重なった。
 私は目を見開いて驚いた。
 えっ? 嘘ッ、まぢでっ? えっ、あんなに愛し合ってたのに!?
 愛可は嘘をついてるようには、とてもみえなかった。



 「いつ別れたの?」


 絵磨が、不思議そうに尋ねる。



 「……期末テスト最終日」
 「じゃあ、11月の終わりの日だね」
 「うん……」




 愛可は今にも泣きそうな顔だった。
 本当だったら私はここで「ざまぁみろ、調子乗った罰だ」
 とか思うはずだけど、なぜかそうはおもわなかった。
 なんだろう?


 憎かったはずだけど、今では不思議と優志愛可カップルを
 心の中で受け入れているようなきがする。
 自然と「まぁ頑張れ」とか思って、応援してたような……——




 「でもそれが、作戦がどうとか、絵磨先輩がいないとか、なんの関係があるんだ?」
 「……っ」



 龍夜に問われて、愛可は黙りこんでしまった。みんなの視線が、愛可のもとに注ぐ。
 しばらくして愛可は、少しためらったけど、ゆっくりと口を開いてくれた。



 「僻み、的な?」
 「は? どういうこと?」
 「あのね……優志に別れ告げられた時、なんていったとおもう?」
 「さぁ……」







 愛可に突然聞かれたけど、私達は首をかしげた。
 すると愛可は、突然冷酷な目つきになった。











 「好きなんだってさ、香織のこと」
 「はぁ!!!!?????」






 またもや、全員の声が揃った。
 でも1番声をでかくしたのは、もちろん私だった。
 はっ、意味わかんないんだけどっ!!







 「んで、私は香織に嫌な思いをさせてやろうとおもった。だから、久保田たちを使ってやったの」
 「使ってやったって……」



 愛可は、恐ろしい目つきで私をみてくる。
 ——何かの間違いじゃあ、ないだろうか。
 私はそればっかりおもっていた。私のことなんて、絶対に好きになるはずが無かった。




 「報酬、500円。まず久保田の使い切ったノートに落書きして、それを香織のせいにする。
 それで怖い先輩たちが引退した後、絵磨のいない水曜日の放課後、香織を呼び出して追い詰めようとした。
 それから、クラスでも孤立させてやろうとおもったの!! しまいには部活の奴からも……!!
 でも、失敗してなんか吹っ切れた。こんなことしても、仕方ないかなって」





 愛可は、冷め切った目をしていた。







 「……これでいいでしょ、もう帰るから」


 愛可はそういって、鞄をもって席を立った。そのとき——




 「待てよ!!」




 孝文が大声で呼び止めた。愛可は機嫌悪そうに振り返る。




 「何よ」
 「……優志が別れようっていったの、なにか訳有ると思う。
 だって期末の期間中も、ずっとクリスマスの計画練ってた!! 愛可かわいいとかいってたぞ?」
 「え?」




 愛可の目つきが急に変わった。続いて辰雅が口を開く。






 「俺は愛可大好きだーってばっかりいってたよね。もう愛可一筋ってかんじで!」
 「そう……なの?」
 「それに、優志が姉ちゃんなんか好きになるわけない」


 最後は康義。余計なこといわんでもいい。まぁそうだけどさ……。








 「よっしゃ! そろそろサッカー部も終わりだろ、俺等優志連れてくる〜っ!!」





 そういって4人は元気よく飛び出した。時計を見ると、もう5時になっていた。
 そういえばもう冬だから、終わる時間早くなるんだっけ……っていうか今日、1回も練習してないや。
 そうおもっていると、愛可が音楽室から出ようとしていた。



 「帰るの?」
 「……今優志と会いたくない。……明日にでも、話したこととか聞かせて」




 そういって、愛可は帰っていった。