コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 *半実話* ( No.943 )
- 日時: 2011/05/08 16:43
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ DIET頑張る〜
第106話
*優志目線*
そこに立っていたのは、他校の制服を着た集団だった。
そいつらは、俺にだんだん近づいてきた。
俺は思わず後ずさりした。
「……お前、優志?」
「え、ああ、そうです、が……」
なんなんだ? こいつら。
しかもさっき、確かに愛可の声がしたのに……——
「あんたも意外とバカだね、あんな電話でやってくるんだ」
「え?」
「あたしが声色真似て、電話かけただけだよ」
な、なななななんだとぉおおおおお!?
俺は極限にまで目を見開かせた。
騙された……と脱力したもつかの間、俺は人目のつかない路地裏に引きずり込まれた。
「割とつれてくるの簡単だったね、健」
「おう」
健と呼ばれるその男子は、俺と同じ学校の制服を着ていた。
えっ……誰なんだ!? こいつ。
「お前の学年に知り合いいっぱいいるから、電話番号聞くの簡単だった」
「……あの、俺を呼び出して……なんなんですか?」
俺が尋ねると、健というやつはいきなり笑い出した。
なんなんだ……気味悪い奴だな。
「お前、たしか鈴野愛可の彼氏だったよな?」
「はいそうですが……」
「俺さぁ、愛可のこと好きなんだよねー別れてくれない?」
そんなことできるはずがないだろっ!!!
俺は激しく、首を横に振った。
あぁもうなんなんだ……早く家に帰って勉強したいのに。
「ふ〜ん……そういうとおもったよ。……これなぁんだ!」
健はポケットからなにかをとりだした。
……っ!!
それをみた瞬間、俺は思わず倒れそうになった。
それは写真で、愛可の盗撮……と思われるものだった。
しかも人に見られたら恥ずかしいようなものばかり。
「コレ、合成なんだけどさ〜……ま、言わなきゃわからないよね」
「……もしかして、これを……」
「学校中にバラまく!! あっははははははははははは!!」
健というやつは、また大声で笑い出した。
俺は鳥肌が立ち体が小刻みに震え始めた。
「それだけは、やめてください! 愛可が……」
「じゃあ、愛可と別れろ」
「…………」
究極の選択だ。愛可とは別れたくない。
すると、健がいきなり俺に殴りかかろうとした。
「別れろや!」
「……わっ、わかりました、わかれま……す……」
「よし、それでいい、じゃあなっ!!」
俺は頭の中が真っ白になった。