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Re:     恋時計 *半実話* ( No.957 )
日時: 2011/05/09 18:06
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼ 龍夜とメールしはじめたけど、皮肉しかいってこない(ぇ





 第109話





 *優志目線*



 その後、俺たちは日が暮れたあとに一緒に帰った。
 帰り道をきょろきょろ見回しながら帰った。
 周りにはもう別れてるのが、伝わっているのに、一緒に歩いていたら変に思われるからな。
 


 「ねぇ、優志」
 「なんだ?」
 「……愛可、健先輩と付きあわされてるの」



 愛可はいまにも泣きそうな顔だった。
 俺は、想定内のことだったので、あまり驚かなかった。
 愛可に告白して……付き合い始めたんだな。




 「もちろん愛可は、断ったよ。でも……優志と同じように脅されたの。
 優志の合成写真を学校中にバラまくぞっていわれて……!!」
 「そうか……」




 健のやつめ、絶対に許せない。
 俺の中で愛可を脅したことによる、怒りを覚えた。
 



 「愛可、健先輩と別れたい。優志しかいないよ……」
 「…………」




 俺はただ黙った。すると、愛可が何かひらめいた顔をみせた。
 俺は「どうした?」と愛可に尋ねる。








 「愛可、健先輩の家の合鍵持ってるの」
 「合鍵……?」




 合鍵といえば、植木鉢の底に置いてある……とかいうあれか。
 別に植木鉢とは限らないけれど。
 恋人とかでもよく持ち合う、あの鍵だな。




 
 「付き合い始めたとき、渡されたの。多分前の日に複製して作ったんだと思う」
 「そっか……」






 俺は、だんだん愛可がなにをいいたいのかわかってきた。
 つまりは——






 「健の家に入って、証拠隠滅しようってことだな」
 「そういうこと! 絶対家のなかにあるとおもうの」
 「ビリビリに破いてやろうぜ」




 これで、俺たちの弱みは消える……——
 そして愛可ともまた、よりをもどせる。
 そうおもうと、自然と笑みがこぼれた。






 「健先輩はね、毎週火曜日の6時から、他校の友達と会ってるから、いっつも家にいないの。
 父子家庭で、お父さんもこの時間は仕事だし……」
 「よし、じゃあその時間にしよう」




 それは、誰にも聞かれてはいけない秘密の会議だった。