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Re:     恋時計 *半実話* ( No.974 )
日時: 2011/05/14 00:06
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼ 学校怠すぎてハゲそう(ぇ





 第112話



 *香織目線*





 里子先輩から、健先輩のことはメールで聞いた。
 愛可が里子先輩から聞いたことも、里子先輩自体が目にしたことも。
 そして今日は、顧問が出張なので部活は休み。
 いっつも顧問は部活に来ないから、出張しようがしまいが一緒なんだけど、学校で決まりだからね。
 それで、今日は金曜で絵磨は塾の日になった。
 だから今から1人で帰るところ。



 私はふと、俯いていた顔をあげた。
 ……ん? あれって……もしかして!




 あの乱れた服装、後姿は……健先輩だった。
 あっちはたしか小学校の校舎だったはず……なんであっちへ?
 ……ちょっと、つけてみようかな。




 私は、小走りになりながら、健先輩のあとをつけた。





 健先輩は1階、2階、3階、4階の階段をのぼりつづけた。
 私もあとをおうと、突然バターンッと鈍い音がした。
 ……屋上のドアが閉まった音だ。




 私は、さらにスピードをあげて走ると、ドアの前でとまった。
 ……よし! あけよう!
 おそるおそる、屋上のドアを開けた。







 「健先輩!!」




 私は思わず叫んだ。すると先輩は「あぁ?」といってこっちをみた。
 鞄を地面に置いて、突っ立っている。




 「あの……小学生の校舎なんかいって、どうしたんだろうとおもって……つけてきちゃいました」
 「ふ〜ん……そうか」



 私は、目を伏せた。健先輩は、とても不機嫌な顔だった。
 ……どうしたんだろう、こんなとこにきて。




 「ふぅ〜……」





 よくみると、健先輩は煙草を吸っていた。
 私の嫌いな独特のにおいが、鼻をつーんとさせる。
 ……うげぇ、煙草ってほんとにきらい。有毒ガスだべ。
 私は、顔をしかめた。




 「健先輩、体に悪いですよ」
 「……いいだろ別に〜」




 健先輩、これ学校の先生にみつかったら終わりだよ。
 よく屋上といえど、学校で吸えるなぁ……って!
 関心している場合じゃない!




 「前、禁煙したんじゃないですか?」
 「……まぁ、でもまた吸いたくなった。でもまぁ、これが最後の一服になるからさ……」
 「え?」





 最後……? 私は意味がわからなかった。
 健先輩はもういちど、口を開いた。






 「全て、最後になるのさ」
 「…………」





 健先輩はそういって、ポケットから白い紙をとりだした。
 そして、ぶっきらぼうに私に突き出す。




 「これまぁ、読んでみろよ」
 「…………」




 私は、目を見開いた。
 “遺書”ってかかれていた。