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Re:     恋時計 *半実話* ( No.983 )
日時: 2011/05/14 20:29
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼ 金欠やばいよね、MONEYほしい




 第115話




 それから俺はもう、受験勉強なんてしたくなくなった。
 どうせ今から頑張ったって、もう遅い……——
 それから、文化祭が終わり俺たちは部活を引退した。
 そして、2学期の期末テスト週間にはいった。


 「……はぁ」



 携帯の画面を見て、ためいきをつく。
 “新着メールはありません”の文字は、何度見ても同じ。
 ……あれから、アイツら4人とは連絡すらとってない。
 クラスも違うから、喋ったりもしないし、会わない日も多い。





 くそっ、アイツらめ……!!
 なにが一緒の高校にいこうだ、なにがずっと一緒だ。
 所詮その程度の仲だったんだ。
 部活引退すれば、もうかかわりなんてないのだ。





 「……でさ〜」
 「うっわ〜まぢで!?」





 帰り道、楽しそうな高校生とすれ違った。
 ……いいなあいつら、あんなに友達と仲良さそうに。
 



 親父も最近、仕事で忙しくてほとんど会話もしていない。
 友達だってみんな——





 そのときだった。
 どんっ、俺は肩に衝撃が走り、そのままバランスがとれなくなった。
 どてーんっ、つまずいてこけた。





 「いってぇええええ……」
 「きゃあああ、ごめんなさい! 大丈夫でしたか? 怪我はないですか? すいませんっ!!」
 「え、いや……」



 声のするほうをみると、申し訳なさそうな顔の女子がいた。
 多分、こいつがぶつかってきたんだとおもう。
 チッ……まぁ謝ってるし、許してやるか。





 「ほんとにごめんなさい! 走ってて……私の不注意で……」
 「いや、そんな謝らなくていいって……」
 「でも……あっ」




 その女子は、俺のひじをみて目を見開いた。
 俺も自らのひじに目をやる……あっ!



 「すり傷がっ……保健室いきましょう!」
 「え、え、あ、あ、え」




 女子は、俺を強引にひっぱって保健室につれていった。
 ……っておいおいおいおい!?
 これくらいの傷、なんともねぇのに。




 




 「はい、これでよし」
 「ありがとうございました」




 保健の先生に手当てしてもらった。
 俺は、丁寧に頭をさげると、鞄をもって保健室をでた。
 すると、廊下にはまたあの女子の姿が。




 「まだいたのかよ」
 「……私のせいで、傷つけてしまって……」
 「大丈夫だって」



 俺はそういって、歩き始めた。
 女子もいつのまにか、隣に歩いていた。






 なんでこの女子は、そこまで俺に?
 なんか……優しくていい子だな。
 好きになったかもしれない、って俺単純〜。






 「あの、名前なんていうの」
 「私? 8年の鈴野愛可っていいます!」
 「鈴野……?」




 鈴野愛可、スズノマナカ、すずのまなか。
 あれッ、なんかきいたことあるような、ないような。





 「ではここで失礼しますっ……あっ! 優志ぃいいいい〜」




 愛可は突然、ぶりぶりした声に変わって、走り去っていった。
 優志と呼ばれる男子が、向こう側に立っている。





 あ、そっか……バカップルで有名な優志と愛可か。



 久しぶりにできた好きな子には、彼氏がいた。