コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 *半実話* ( No.856 )
- 日時: 2011/04/24 21:53
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ うちゎGREE、龍夜と孝文ゎアメピグ満喫中♪(は
小学校低学年の私は、本当に泣き虫だった。今なら「あ、そう」で受け流せても、このころはまだ、感情のコントロールが上手くできなかった。そう考えたら、私も少しは成長しているのかな。
朝。いつもどおり、私は学校につき、席に座る。ランドセルから出した物を全部、机の中にいれて、ランドセルはロッカーへ。それを終えた人から、遊びにいってもいいことになっている。
「あれ?」
「?」
私がランドセルから出した物をみて、クラスメイトが目を丸くした。すると次第に、次々とクラスメイトが、私の席に集まってくる。なに、なんなの! 私は急に怖くなった。
「今日、道徳ないのに七瀬さんもってきてるよ〜」
「あ〜らら、ほんとだ〜」
「あはははは」
すると、周りの人たちがみんな笑い出した。別に、けなしているつもりはないとおもう。「馬鹿だなぁ」と、面白くて多分笑っているんだとおもう。でも、私は辛くなった。
「……っ」
いつのまにか、私は涙を流していた。今の自分なら「うっわ〜まぢで〜まぁいいや〜」みたいなかんじで、受け流すことができる。突然泣き出す私を見て、クラスメイトは驚き始めた。
「七瀬さんて、すぐ泣くね」
誰かがそういったのを、私はこの耳でしかと聞いた。「また泣いてるよ」みたいなかんじで、「大丈夫?」と慰めてくれる人はいない。まぁ、こんなことくらいで泣くものだから、みんな戸惑っているに違いないんだろうけど。
そしてことあるごとに、何か少しでもクラスメイトから言われると、そのたびに涙を流した気がする。学校が嫌で、無理やりお母さんに引っ張られて、教室まで連れて行かれて、お母さんや先生、クラスメイトまで困らせたのも、記憶に残っている。
そして、そんな私には、特に苦手な男子がいた。
「優志、啓太、帰るぞ」
隣の、1年2組の男子が3組の教室に顔を出す。その男子は、優志と同じ近所に住む本村啓太を連れて、帰り道を歩き出した。いつもこの2人と一緒な私も、このときばかりは、躊躇した。
その男子の名前は、北川壮一郎。わりとボスキャラ的な存在で、好き嫌いがかなりハッキリしていて、近所に住んでいる。3つ離れたお姉ちゃんがいた。私はその男子が苦手で、苦手で、仕方なかった。
「どうしたの? 香織ちゃん」
「え、いや……」
3人からだいぶ離れたところに、私はいた。隣にいるのは、2年生のお姉さん。ちょこちょこ歩く私をみて、不審に思ったのだろう。「そんなにあの人たちが嫌なの?」と、聴いてきた。
「うん……やだ……」
「……もーっ、先帰るよ。習い事あるし」
「あっ」
2年生のお姉さんは、先に帰ってしまった。ま、まぁいいや……北川壮一郎さえ避けることが出来たら、それでいいや。『1年2組だけ火事になればいいのに』と思ったり、2組より先に終わったときは、猛ダッシュで帰ったり、2組が先に終わったら、トイレにこもって、壮一郎たちが帰るのを、待ったりしていた。
それだけ、その人のことが嫌だったのだ。今も、苦手な人や嫌な人や、出来事はできるだけ避けよう、とおもっている。そういうところは、やっぱり、昔から成長していないなぁ……と思った。