コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

思い出の羽音 ( No.1 )
日時: 2010/12/23 19:43
名前: 璃羅 (ID: fttqsiS/)

 調子に乗って、2作目も書いちゃいました・・・

 コメも待ってマース!

 『思い出の羽音〜想いの行く道〜』

 あの事件が起きて早一年。相変わらずあたしは、平凡な毎日を送っていた。ただ一つだけ違うことがある。
 それは・・・
「理久、コーヒー!」
「うん!分かった!」
幼なじみの那葵の補佐になったこと。まぁ・・・ほとんどが、パシリだけどね・・・
 それでもあたしは、那葵の事が好きだから・・・パシリでも、そばにいられるだけで・・・
「おい、理久!まだかよ!!」
前言撤回!やっぱ、パシリは嫌だ。っていうか、補佐になると、死神の時より、仕事が多い・・・しかも・・・他の死神達の仕事を見てるだけなんて・・・
「死神に戻りた〜い!」
おっと、明日は学校だから、もう帰らなくちゃ。
「那葵・・・あたし、もう帰るね。那葵も明 日、学校来るんでしょ?」  
「・・・・・」
那葵は、じっとあたしの事を見つめて動かない・・・
「那葵・・・?」
返事がない。
「ちょっと、那葵!?しっかりしてよ!!」「ぐぅぅ〜〜〜」 
ね、寝てる・・・
「やっぱ疲れてんのかなぁ・・・」
そう思い、あたしは那葵のところにタオルを掛けてやる。その途端!!
「理久!こっちに来てもらおうか!!」
「へ?」
なんと、いきなり四,五人の者によって、囲まれてしまった。よく見ると、その者達の背中には、白い羽が生えていた。
「天使!?」
その者達は、クックックと笑いながら、
「よく気がついた。私達は、我らの協会長、 水黎様の命により、参上仕った。」
天使にも協会長という者がいたのか・・・
 って、感心してる場合じゃない!!
「それで、おとなしく自分達に付いてこ来い と・・・」 
「そうだ・・・」
「冗談じゃないよ!!だれが、あんたらと一 緒にいくもんか!!一昨日きやがれ!!」その者達は、少し考え込むようにして、
「強引な手段ではあるが、しかたあるまい・ ・・」
いきなり部屋の中に、煙を充満させた。
「な、何これ!?」
「これは、死神にしか、効かない香。それで、 しばらく眠っていてくれ・・・」
冗談・・・じゃ・・ない・・・
「・・・・」
あたしは、深い眠りについた。
・・・・・・・・・・・・
ピチャーン・・・
水滴が、あたしの頬を流れ落ちる。
「いててて・・・ここ、どこ?」
「お目覚めになったか?死神の娘。」
すこし高めの男の声がした。
「私は、水黎。天使の協会長だ。」
よく見ると、その背からは、白い羽が生えていた。髪は銀髪で、腰のあたりまである。とても綺麗な髪だ。
って、また感心してる場合じゃない!
「なんの目的で、あたしを連れてきたの?」水黎は、少し笑ったようにも見えた。
「街でお前を見かけた。その時思った。お前 には、黒の翼は似合わぬ。いっそのこと、 白にしてしまおうと思ってな・・・」 
なんて、身勝手な考えだろう・・・あたしの意見なんて、聞こうともしない口調。
「勝手に決めないで!第一、死神から天使に なるなんてできっこない!!」
「フッフッフッフ。こっちの世界では、手術 をすれば、天使から死神へ、死神から天使 になれるのだ。」
えっ!手術なんか、痛いから嫌!って、そういう問題じゃないでしょ!
「どういう手術をするの?」
「手術といっても、天使で伝わる秘伝の薬を 羽にかけると、黒なら白に、白なら黒にな る。」
そんなっ!
「それであたしを死神じゃ、なくしょうって の!?」
「・・そうだ・・・」
信じらんない!!ってか、早く逃げなきゃ!「逃げる気か?無駄な事を・・・」
いちいちムカつく天使様だなぁ〜!
「あたしは、こっから出るって言ったら、絶対出るの!!邪魔しないで!!」
と言った瞬間、水黎の手から不気味な白い煙が出て、部屋に充満していった。
「少し寝ていれば、天使になれる。死神の記 憶は消えているがな・・・」
くっ!!
 那葵!助けて!!
 あたしは言葉に出せぬまま、また深い眠りに落ちていった。

  続く・・・