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Re:   、 マリオネット  【短編集】 ( No.48 )
日時: 2011/01/08 12:30
名前: そらね ◆ZPJ6YbExoo (ID: BGc0M6LZ)
参照:      もと侑子です。

 (※)閲覧注意、ヤンデレ気味?です。少々グロかもしれません
 

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 ▼ 赤ずきんと優しい狼さん ※

 昔々、或るところに赤い頭巾を被った少女がおりました。
 その少女は大変、赤い頭巾を気にっており。毎日肌身離さず赤い頭巾を被っておりましたゆえ、親戚や友人からは赤ずきんと呼ばれておりました。
 少女は赤ずきんと呼ばれることを気に入って、自分のことを赤ずきんと呼んで欲しいと周りの人にお願いしました。
 そんな或る日、赤ずきんの母からおつかいを頼まれます。

「 赤ずきん、これをお婆さんの家に届けてくれる? 」

 母はそう言って、古めかしいバスケットを赤ずきんに手渡します。 
 使い慣れているバスケットはぼろぼろで、上から赤い布巾をかぶせられており、布巾を取るとワインが入っておりました。

「 これを届ければ、いいのね? 」  

 赤ずきんがそう問いかけると、赤ずきんの母はゆっくり微笑みながら頷きました。それから、一瞬思いつめたような表情になります。
 それから赤ずきんの母は家の奥のキッチンのあるほうへと歩いていきます。赤ずきんは脳裏に疑問符を浮かべながら、母の行動を見つめていると、母はキッチンから戻ってきました。
 赤ずきんの母の手には、刃の尖ったナイフがありました。鋭利な刃物を見て、赤ずきんは驚いて息を呑みます。 

「 お婆さんの家までには森を通るしかないの。でも、悪い狼がいるから、襲われそうになったら逃げるか、これを使いなさい。森には優しい狼さんもいるから、道に迷ったら、尋ねてごらん 」

 そういって、赤ずきんの母はナイフに布を巻いて赤ずきんの持っているバスケットの中に入れました。
 赤ずきんは少しばかりおどおどしていましたが、やがてにこりと笑って「 分かったわ 」と言って頷きました。


 ...†


 薄暗い森の中、赤ずきんは道に迷っていました。
 辺りはもう暗くて、足元が少しずつ見えなくなっていきます。悪い狼さんが出たら、どうしましょうと考えながら一歩、一歩、歩きます。

「 お婆さんの家の方角は、何だったかしら 」
 
 赤ずきんに、焦りがにじみます。すると、ガサガサッとすぐ近くの草が揺れた気がしました。
 風ではない、生き物が立てた音だということに赤ずきんは気付き、更に焦ります。
 すると、音が建った草むらから出てきたのは、毛がフサフサで牙の鋭い狼でした。赤ずきんは悲鳴をあげそうになります。
 ですが、狼は襲ってきません。狼を見つめていると、殺気もただよくことなく、穏やかな表情をしていました。
 きっと、優しい狼なのでしょうと赤ずきんは察しました。それから、恐る恐る近づいて、道を尋ねます。
 
「 狼さん、ここらにお婆さんの住む家は無いかしら?どの方角か分かりますか? 」

 すると、狼はちょこんとその場に座り込んで、尻尾を器用に使ってある方角を指しました。

「 お婆さんの住む家なら、こっちの方角を真っ直ぐぬければ付くと思いますよ 」

 狼さんは丁寧に、方角を教えてくれたお陰で赤ずきんは、お婆さんの家が何処にあるのかが分かって一安心です。
 ありがとう、と狼さんに一礼して、振り向いて教えてもらった法学へと歩き出した時、赤ずきんは足元の小石につまづいて、転んでしまいます。
 その時に手元からガチャンと何かが割れるような音が聞こえました。
 赤ずきんは割れたものに察しが付いていたので、顔を真っ青にしました。手元を見ると、赤ずきんの思ったとおり、ワインが割れていました。
 「 ああどうしましょう、お婆さんにあげるワインを転んで割ってしまったわ、どうしましょう! 」と赤ずきんは混乱します。
 
「 大丈夫ですか、お嬢さん? 」

 赤ずきんが転んだことに気付いた、狼さんは赤ずきんに心配そうに声をかけます。

「 お婆さんにあげるワインを、転んで割ってしまったの 」
「 それは大変ですね。私が何か森で換わりになるものを用意しましょうか? 」

 なんて優しい狼さんなのでしょう。赤ずきんは、顔を一瞬綻ばせましたが、すぐに俯いてしまいました。

「 ありがとう、でも道に迷っていたから遅れてしまったし、もう夜だわ…どうしましょう 」

 赤ずきんは泣き出しそうな顔をしましたから、優しい狼さんは戸惑いながらも、「 私に何か出来ることはありますか? 」と聞いてきます。
 赤ずきんは、そんな優しい狼さんを見つめたあと、ふと問い掛けて見ました。

「 そうね……そうだわ、狼さん。貴方の毛は暖かい? 」

 赤ずきんが狼さんを見ていて、目にとまったフサフサの毛。
 優しい狼さんは、首を縦に頷いて優しく微笑みました。

「 ええ、暖かいですとも 」
「 そう…どうしたら良いのか、分かったわ 」

 そう言って、赤ずきんは狼さんに微笑みながらバスケットの中にある布に巻かれたナイフを取り出しました。
 勿論、狼さんはナイフが布に巻かれているため、ナイフだと分かっていませんので、何だろうと目を丸くして、赤ずきんの持っているものに注目しました。
 それから、赤ずきんはナイフに巻かれた布を取りながら、狼さんに近づいていきます。銀色に光る刃を、微かに森の奥に零れる夕焼けの光で光らせながら。



「 ああ、よかったわ。ワインの代わりが見つかって。お婆さんは狼さんの毛皮でも、喜んではくれるかしら 」

 そう呟きながら、赤ずきんは服を血塗れの服の埃を叩いたあと、
 優しい狼さんに教わったお婆さんの家のある方角へと、優しい狼さんの血が大量にこびり付いた毛皮をずるずると引っ張りながら歩いていきます。
 赤ずきんと優しい狼さんが離していた場所には、血の色で染まったナイフが、血溜りと共に落ちていました。
 赤ずきんは何かを思いつめたように、くるりと振り返って血の水溜まりを見た後、顔を綻ばせながら。頬についた血を、赤いずきんで拭き取りました。
 血を拭いたずきんの場所を赤ずきんは見つめると、くすりと笑って、
 
「 あら、赤いずきんがもっと濃い赤になったわ? 」

 けたたましい笑い声をしながら、夜の森を歩き出します。
    

      −END−

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※最初に閲覧を注意を書いておきましたので、
 ご気分を害されても、責任は取りません。
 
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■アトガキ

少々やんでれ気味、万歳です!(
久しぶりの更新です。祖父の葬式に行っていたため、来れなかったんですが…復帰しました。

見てくださった方、ありがとうございました。久しぶりなのに、ドロドロとしていてすいません…
私の趣味についてきてくれると、嬉しいです。

似たようなものがあると感じた方、すいません。連絡ください、すぐさま削除いたしますので。