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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ◇◆人はそれを恋と呼ぶ◆◇ ( No.33 )
- 日時: 2010/11/21 11:58
- 名前: *ちぇっく* ◆rYQoPja4V2 (ID: CFE7lDA5)
第五話 −拒絶反応?じゃないよね−
「おい、愛紗、大丈夫か??」
奏太の声と同時に、私はヒュンと立ち上がり、
「あはは…、ちょっと貧血気味で…」
その場しのぎの嘘をついた。
「もう大丈夫!このとーり!」
「そか、今日は無理すんなよ?」
奏太はそれだけ言うと、一人学校へ向かった。
それより…
なんだったんだろ?
頭の中に、『恋』の一文字が浮かんだ。
「…いやいやっ!そんなワケないし!?」
ブンブンと首を振る。
「誰があんなサッカー馬鹿っ…」
口ではそう言っているのに、目は確実に奏太を探していた。
「…とりあえず、学校行かなきゃ…」
ドンッ!
「きゃっ!?」
「わァっ!?」
誰かにぶつかった。
「あたた…ごめんなさいいっ!」
とっさに謝る。
「こちらこそっ…」
反射的に相手に目をやる。
目の前にいたのは、クラスメイトの波兎 狸だった。
「あ、波兎君!」
「やぁ〜、如月サンか。おはよ」
彼は人間と死神のハーフらしく、右目が何故か赤く光っている。
でも、死神のハーフにしては怖いところが全く無い。
それどころか、仲間思いだし…w
「如月さんが、誰かにぶつかるなんて珍しいなあ」
アホ毛をピョコピョコさせながら波兎君が言う。
「さっきも、哉森君にぶつかられたし…」
「あ、そうなの?あははー…」
どうしても意識してしまう。
名前を聞くだけで…
「じゃ、私、先行くね!」
「あ、うん、後でね〜」
私は波兎君に別れを告げると、
そのまままっすぐ学校へ行った。
「速くいかないと遅刻する〜っ!!」
朝の日差しを背中に受けながら、
私は全速力で走った。
〜第一章 完〜
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