コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ◆人はそれを恋と呼ぶ◆ ( No.5 )
日時: 2010/11/07 13:41
名前: *ちぇっく* ◆rYQoPja4V2 (ID: CFE7lDA5)

第一章 第一話 −恋愛という名の鎖−



私の名前は如月 愛紗。

地元の公立中学に通う、普通の女の子…だと思う。


スポーツは好き

勉強は嫌い

恋愛も…嫌い。


中学生っていったら、恋だの彼氏だの…
 そーゆー年頃じゃん!って思うかもしれないけど…

でも、私には恋なんて束縛の鎖にしか見えなくて。

あの日以来−…。





「…さ、う…さっ、愛紗っ!!」


「ほぇっ!?」

「も〜、授業はじまるよって言ってるじゃん!ほらっ」

そう言って私の腕をひっぱったのは咲島 玲。
彼女とは小学校のころからの付き合いで、今も同じクラス。
人よりしっかりしていて、どこか大人っぽく感じるのは私だけなのかな…。

「あ、ごめんごめんw次…なんだっけ?」
「数学」
「あ、さんきゅー…って、奏太!?」

奏太こと哉森 奏太は、私や玲と同じ3−C。
顔は悪くないんだけど、口が悪いしサッカー馬鹿。
家も近所で、世間で言う幼馴染ってヤツ。

「お前、一日の時間割ぐらい覚えとけよw」

バカにしたようにふふんと笑う奏太。

「な、なによっ!」

「まぁまぁ…」

私と奏太にとっては、これが挨拶のようなもので、
玲がこう宥めて終わるのがいつものパターン。

その時。

《キーンコーンカーンコーン…》

「あ」

「お前らー、席に着けー」

先生がガチャリというドアの音と共に入ってきた。
教室のザワめきが、どんどん小さくなっていく。

「じゃあ始めるぞ、前回の続きでP134開けー…」

私の席は前から3番目のいちばん窓際。

(はぁ…授業、おもしろくない…)
ふと、窓越しに外を見てみる。

季節は、冬。
葉の上に降り立つ霜がキラキラと光を反射していた。


冬は嫌い。


寒いし、


あの日のことを思い出してしまうから…。



思わずぼーっとしていると、隣の子がちょんちょんと
肩をつついてきた。

「ん?」

クルリとその子のほうを見る。

「あの…哉森くんが如月さんにまわしてって…」

そういって手渡されたのは、小さな紙切れだった。
そこには雑な字でこう書いてあった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
愛紗

放課後、三和みわ公園に集合!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
三和公園というのは、私の家から5分ほど歩いたところにある小さな公園で、待ち合わせなどによくつかわれるところだ。

「どーゆーこと?…まぁ、いっか」

私はその紙切れを胸ポケットにしまうと、
もう一度外に目をやった。






あの時はまだ気付いてなかったんだね




これから起こることが




どんなに不可解かも知らずに—…。