コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ◇◆人はそれを恋と呼ぶ◆◇ ※キャラくださいっ! ( No.51 )
- 日時: 2010/11/30 16:26
- 名前: *ちぇっく* ◆rYQoPja4V2 (ID: CFE7lDA5)
第九話 -気付いた気持ち-
[奏太視点]
…
…
あれからどれぐらいたったのだろう。
なんで自分はここにいるんだろう…
ボーッとする頭の中で、俺はこんなことを考えていた。
だけど、いくら考えても答えはでなかった。
早く会いたい…
みんなに。
クラスメート。
先生。
咲島。
河野。
そんで…
「愛紗」
おもわず声がもれた。
あわてて口をふさぐ。
「な、なんで俺…」
体の温度が急に上がったみたいだ。
愛紗の顔が頭に浮かぶ。
「…」
そんな俺の様子を見て、亜縫はポツリと呟いた。
「へぇ、愛紗ちゃんのこと…そっかぁ…」
「ち、違ぇよ!!」
とっさに否定する。
でも、本当はそうなのかもしれない…。
「…でも、真実を知ってもそういれるかな?」
「はっ?」
「いやぁ、きっと無理だよね。
恋愛なんて、そんなもんだもん。」
じれったくそいつは言う。
「…なにが言いたいんだ…」
「そうだな、もうそろそろいいや。教えてあげる。
キミの疑問に思ってること全部…ね」
奴はそう言うと、手の中から『アノ手紙』を取り出した。
「おい、それって—!!」
俺はそれを見るなり大声で言う。
取り上げてやりたいが、縛り付けられているので
身動きすら取れない。
「うん、そうそう。ご察しの通り。
今から30分後—…
廃校に集合だ」
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[愛紗視点]
「じゃぁ、鈴のホウキに乗って♪」
「うん!」
いろいろ話し合った末、私たちは『上空から探索してみよう』ということでまとまった。
(すご…!空飛ぶホウキに乗れるなんてっっ!!)
私は内心感激しっぱなしだった。
4人で乗るとちょっときついけど、まあ仕方ないよね。
「じゃ、れっつごー!!」
その時。
「んっ!?」
ヒラヒラと1枚の紙が河野の顔に貼りついた。
「なんだこれっ…て…
まさか!!!!!」
河野が絶句する。
震えた手に握っていたのは、黒い封筒だった。
鈴は手紙がなんなのかはっきりわかっていなかったようなので、玲が説明した。
「とりあえず、読むぞ…」
そこには、やっぱり赤い字でこう書いてあった。
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哉森奏太はここにいる
今から30分後に廃校舎へ来い
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「えぇ、ほ、ほんとに連れていかれてたんだ…」
「多分、廃校舎って、紫波谷小学校のことだと思うわ」
玲が腕を組みながら言う。
「でも、この文面から見ると、哉森は無事みたいだな」
河野もホッとしたように呟いた。
「じゃぁ、とりあえず、急ごうよぉ。
相手は何たくらんでんのかわかんないんだから!!」
そう、鈴の言うとおりだ。
何の目的で奏太を連れ去ったのか。
そもそも、何があって奏太に手紙を送ったのか。
そして、私にはもう一つ気になる点があった。
それは、この2通目の手紙。
明らかに、筆跡が違う。
最初のものは穏やかな感じだったのに、
2通目は命令系の書き方。
まあ、たまたまだったのかもしれないけど…
だからなおさら人物像が見えてこない。
「それじゃあ、浩中のホウキに乗って、急ぐぞ!」
河野が言った。
私たちも急いでまたがる。
「いくよー…♪」
その声と共に、私たちの足は地面から離れた。
「うわァッ!?」
風が体全体に吹き付ける。
ホウキは止まることを知らず、どんどん上へ。
どんどん先へ。
私達はただ前だけを見つめていた—…。