コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: “飛野坂 湊のクラス事情” ( No.3 )
- 日時: 2010/11/07 20:31
- 名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)
第一話【廊下は静かに叫ばずに】
「えっと、確かこっちが職員室だったはず…」
初めまして、皆さん。現在僕は、この桜ヶ丘中をさまよっています。
「玄関に、案内する人が居るってのは嘘だったみたいだし…自力で探すってのは良しとして、この学校何気に広くない?」
職員室を目指す僕の目の前に広がっているのは、果てしなく長い廊下と、訳の分からない絵である。
「こんな時に、運良く良い人って言うか先生現れないかなぁ…あっ」
僕が奇跡を望むような事を言った途端、廊下の向こう側に人影を見かけた。と、言うか見付けた。
「居たァァ!!」
その人は、そう叫ぶと僕の元へダッシュでやって来た。
「え?…えっと、あのどちら様で?」
急に知らない人が叫びながら、自分の方に走って来たら誰だって少しの抵抗感はある訳で…。
「あ、イヤごめん。急に変な叫び声出して…えっと、君が転校生の飛野坂君だよね?」
廊下の端から、ダッシュでやって来たのは僕の名前を知る男の子でした。
「僕の名前…何で知ってるの?」
「え?あぁ、僕が玄関に君を迎えに行くはずだった人だからですよ」
苦笑いしながら、その男の子は言う。
「っで、居たァァ!!って叫んでたわけなんですか?」
「まぁ、そう言う所です。えっと…まずは、教室行きましょうか?」
そう言って、教室は此方と言わんばかりに指をさして示す男の子。
「いや、僕職員室に来いって…言われたんだけど」
「じゃぁ、その言った人がやっぱ教室で良いわ。って、言ってましたよ」
「えぇ!?何その無責任さ。その所為で僕がどれだけ苦しんだと…」
「其れは残念でしたね。でも、コレからはきっと良い事がありますよ」
そう言って、男の子はグッと親指をつき立てる。
「てか、君が迎えに来なかったから迷ったんでしょうがァァ!!」
「あ。そうでしたね。まぁ、気にせずクラスに向かいましょう」
そう言うと、男の子は僕の手を強引に引くと僕が入るクラスへと歩いて行くのでした。
はてさて、転校初日からいきなり迷子。僕は本日、無事に過ごす事は出来るのでしょうか?