コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お姫様は笑わない! ( No.10 )
- 日時: 2010/11/11 22:13
- 名前: 白銀の夜 ◆/.wGEvSoxI (ID: bQbYMR0G)
「え……えっ!」
前に広がっている黒い森。
幽霊が出るとかで有名なのだ。
リクシナもシナヴァの町に行ったことがある。
だが、その時はこの森を通らずに遠回りしていくのだ。
言っておくが、リクシナはクールですが幽霊は嫌いです、みたいなお決まりキャラではない。
好きというわけではないが、幽霊なんて霊感のある人しか見えない代物として脳にインプットしてある。
見たことがないから信じれない、みたいな。
それでも、実際に行くとなれば緊張ぐらいはする。
(まぁ、でもこういう経験も大事。だと思う。いや、大事ということにしておこう)
無理やり納得です。
そもそも、森に入るということから強制なんですけど。
少年を改めてみて見る。
立派な黒髪。漆黒と表してもいいだろう。
服は白のシャツに緑のハーフパンツ。
煤けた服からして貴族ではない。
幽霊の森に行く時点でそうじゃないことぐらいわかることだが。
顔立ちは十点満点中で七点。
それなりにイケメン。
だが、そこそこ。
言葉から見てもおとなしいというよりは元気、やさしい系か。
女の子を普通に落としそうなやつ。それでいて気づかない鈍感。
リクシナ風でいえば「頼りになるけど目障りな奴」だ。
もとから男が好きじゃない。
婚約者候補はいっぱいいるが全員拒否。
貴族なんて特に。
お金に身を委ね、欲が激しく、身分だけで平気に見下す。
嫌いだ。
それよりも自分で働いてお金をもらえるよう努力している平民のほうが全然立派だ、とリクシナは思う。
自分はできたなら、平民として生きていたかったと。
「あの、疲れてないですか?足、楽になったので降りれますが」
森の入り口。
貴族の人は入ろうとしない。
だからここまでくれば大丈夫なのだ。
「いや、この森は複雑だから。僕たちの基地に行くまで背負ってる」
「基地、ですか」
ホームレス
「そう、僕たち“見捨てられた者”の、ね」
少年は、笑った。
とても綺麗で、見とれてしまうほどだった。