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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お姫様は笑わない! オリキャラ募集! ( No.21 )
- 日時: 2010/11/21 16:34
- 名前: 白銀の夜 ◆/.wGEvSoxI (ID: bQbYMR0G)
この国では一つ、決まっていることがある。
それは貴族と平民のことだ。
貴族は金髪やピンクや、暖色系が多い。
平民は黒や青や、寒色系が多い。
でも時々、違う色の子が生まれてくる時がある。
貴族なのに黒。
平民なのに金。
そんなこともあって髪の色で虐められる人は少なくない。
リクシナもその一人だったりする。
王家の者はほとんど赤色だ。
灼熱の赤は立っているだけで威厳を感じるほどだ。
だけど、その中で一人。
赤色の髪をした兄や姉に混ざって一人だけ。
末っ子のリクシナだけ青紫色。
その色は夜を思わせるほど。
そのせいもあって家族や使用人に大事に扱われていた。
でもそれはただの同情。
髪の色が違うリクシナをかわいそうだと思っているだけにすぎない。
お城の中は退屈なだけだった。
だからここから抜け出したかった。
「——って、私は方向音痴なんでしょうか?」
声にだして自問。
朝、ユウジと湖をはなれて楽園へ戻ろうとした。
途中まではちゃんと後ろをついていっていたはずなのだ。
なのに今はリクシナ一人。
ユウジを見失った。
とりあえず、湖のほうへ戻ろうかと思ったが戻れず。
複雑になっていくばかりだ。
あの場所で待ったままがいいかと後悔。
戻り方なんてもう分からないなら進もうとどんどん進む。
行く当てはないが動く森に呑み込まれるわけにはいかない。
昨日の擦り傷はほぼ消えている。
と。
———シャラン。
鈴の音。
いくつかの音が重なったみたいに。
鳴った。
なに?と鳴った方へ。
歩く歩く。
行くあてがないから。
邪魔する木を避けながら。
そして、
緑の木々をすり抜けたそこに
それはあった。
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