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Re: お姫様は笑わない! オリキャラ募集! ( No.30 )
日時: 2010/11/24 00:46
名前: 白銀の夜 ◆/.wGEvSoxI (ID: bQbYMR0G)

「———へ?」

湖の場からでたら、そこは楽園だった。
普通は木々が生えているはずなのに。

今、起きました、みたいな人たちに混ざってリクシナを探している少年がいる。
ユウジだ。
リクシナがいないのに気づいたのは楽園につく数分前だと見える。

リクシナはユウジに駆け寄って、大丈夫なことをつたえた。

「お前、どこ言ってたんだよ」
「森の巫女のところです」
「……巫女?あぁ、会ったのか?すげー、こんな短時間に」

本気で驚いているようだ。
シャラン、と鈴が鳴り、ユウジはリクシナの頭の方を向く。

「どうしたんだ、それ」
「え、これですか?」

リクシナは頭を振って鈴を鳴らす。
その鈴の音色はどれよりも綺麗だ。

「巫女さんから貰ったんです。お守りとして」

そしたら、また驚いた顔をして

「すげーっ、俺、貰ったことないよ。てか、誰も貰ったことないって」

鈴を触る。
シャラ……と軽く音が鳴る。

リクシナはちょっと優越感に浸る。
誰も、自分一人だけ。
悪い意味でなら何回もあったが良い意味では一回もなかった。

と。

一人の少年が。
あの、金髪をした元・貴族の見捨てられた者が。
寝起きでぼーっとしながら、それでも。
ある記憶を探りながら。


「お前、この国も姫だろ」


一斉に皆がリクシナの方を向いた。
金髪の少年は悪意を。

ユウジは疑うような目で。


「本当なのか?」
「そうです」


即答に等しかった。
リクシナには否定なんかできない。
この国の姫だということは本当だし、嘘をつく理由もない。

今、この場所で皆に「裏切り者」と言われても平気な顔でいられる。

慣れているから。

「だから、何ですか。私はこの国の第四王女です。今は城から逃げ出した逃亡者です。あなたたちと同じ見捨てられた者と等しい。」

負けじと強気な態度で言う。
さすが王女というか。
その言葉に威厳を感じさせられる。

「……お前、あれだろ。髪の色がちがうって弄られてたやつだろ!?そんなやつがここにうろうろして、ばれたら王族のやつら危ないんじゃないのか」

ハハンッと勝った気でいる金髪。
リクシナは過去のことを思いかえし、そんなこともあったなぁと。
王族のことが出されたときは焦ったが、少し考えればそう大したことじゃない。

「別に、たかが私のことで王族の者が怯むわけがありません。こんな髪の私です。すぐにいらない者扱いされるだけ」

無表情の顔。
悲しくはないのか。
顔を曇らせる気配はない。

「ええいっ!そんなの分かるか!僕の両親は仕事がなくなって平民以下になり下がったんだ!それは王様の政治が悪いから———」
「——やめてよ、見苦しい」

金髪の言葉がさえぎられた。
一人の女の声によって。