コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お姫様は笑わない! オリキャラ募集! ( No.36 )
- 日時: 2010/12/01 16:15
- 名前: 白銀の夜 ◆/.wGEvSoxI (ID: bQbYMR0G)
「昔の記憶〜a purple princess〜」
わたしの名前はリクシナ。
本名はリクシナ・ヴィ・アルスブリグ。
王族の血を引く者だ。
ただ、赤髪の王族とは違い紫髪をしている。
両親には、何か複雑な愛情をもらっている。
それが何かわからない。
そんな十歳の夏。
わたしには一人の兄と三人の姉がいる。
その中で一番兄と仲がよかったりする。
理由は……なんでだろう。
たぶん勉強のこととか、平民の思いとか。
そんなことを一番に思ってくれるからだと思う。
平民に憧れる自分に平民のことを語ってくれる。
おかしいと思う姉たちとは違い。
兄は次期王として、平民が住んでいる南、東、西の町へ行ってもいいことになっている。
父も平民のことを気遣ってはくれているが、貴族からの反感もあり、両立ができない。
だから、それを初めからやり直そうと兄は考えている。
でも社会主義はダメ。
だから、平民のありがたみを知るための勉強を、はいいのだが。
ただ、それを熱心に訊く貴族がなぁ。
平民はとてもいい人たちなのに。
ていうか平民と貴族という差別もダメだと……と思っている私がいるのだが、自分も平民と言ってしまう。
うむ、うむ、うむむ……。
王は難しい。
「また何か考えてるのか」
横から声が聞こえた。
「あ、お兄ちゃ……お兄様」
「ここには、お父様はいないよ。普通に言って」
「…あはは、ありがとね、お兄ちゃん」
とか、こんなやさしい兄です。
名前はダリウス。
勉強ができて、平民に優しくて、貴族からはどう思われてるか分かんないけど、平民には大人気。
そんな兄が大好きで、つい笑ってしまう。
「で、何考えてたの?」
「あのねー、貴族と平民の差別のこと」
「そっか、リクシナはやさしいね」
わたしの頭を撫でる。
ちなみに私と兄の歳の差は六歳。
だから兄は十六歳。
去年、偽成人の宴会を開いた。
わたしは後五歳であれを開くのだ。
いやー、今から楽しみです。
「とても、難しいことだよね。これで戦争とかなったらいけないから」
「誰もが王の言うことを訊くなんて、ありえないもんね」
「うん……」
「「幸せは誰もが焦がれ、誰もが拒絶する」」
「自分の意思とは関係なく」
「自分の願う幸せがみんなの幸せとは限らないもんね」
わたしたちがいる、この城の屋上。
ここからは東西南北の町がほんの少し見える。
わたしのベストプライスです。
「今日は、お母様が夕食後にお話があるそうだ」
「で、夕食の始まるあと一時間の間、お話をしないかって?」
「何で今ので分かるんだ」
「これまでの勘だよ」
頭を指すわたし。
兄は笑う。私も笑う。
それでいいんじゃないかな。
わたしは、平民と貴族が一緒になれる国にしたい。
わたしの願いであり、幸せなのかなぁ。
そんな平和ボケした頭だから、知らなかったんだ。
貴族がどんなに、傲慢か。
平民がどんなに、薄幸か。