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Re: お姫様は笑わない! オリキャラ募集! ( No.42 )
日時: 2010/12/01 16:42
名前: 白銀の夜 ◆/.wGEvSoxI (ID: bQbYMR0G)

「学校はどう?リクシナ」

ここは兄の部屋だ。
わたしの部屋より広いから伸び伸びできる。
まぁ、わたしの部屋が小さいというわけじゃないんだけど。

「まあまあ、かな。平民の良さを訊いてくれる人がいないんだ」
「どんな話?」
「この国を支えているのは王様ではなく平民なんだって」
「それは、いい話をするね。訊かなかった人はきっと損するよ」

しかも、この話をしたのが先生ではなくわたしがした、という話は先生を信用するということで伏せておいた。
やはり、先生も貴族だし、わからないんだろうな。

「友達のほうはどうだい?」
「今日は……あー、うん。別になにも」
「…………」
「う、うそだって!!えーとね、あーとね……、あの子、いや、あの人?がさー、ねぇー」

はてなマークを出す兄。
んまぁ、分かるよ。意味が分からないように言ったんだもん。
学校。友達はいるし、勉強はできるし、楽しい。
王族なのにこんな髪をしたわたしを慕ってくれる。
楽しいよ。楽しい……んだけど。
そうじゃない時もあるのです。

「あのー、いるじゃん。メイちゃん」
「ああ、サリズム家の」

メイちゃんというのは、わたしの一つ年上でサリズム家の一人息子。
貴族の中でも位が上のほうで、あそこの主人と父が仲がいいのでよくこっちに遊びに来たり遊びに行ったりしている。
歳が近いのは私と三番目の姉。
兄をつれてよく遊んだものだ。

「メイちゃんねぇ。男の子なんだからちゃん付けはやめようよ」
「いいよ、たぶん。きっと」
「で、その子がどうしたの?」
「笑ってくるんだよね」
「え?良くないのかい?」
「いやー、なんといいますか。嘘っぽいといいますか。いや、愛想笑いは別にいいんだけど、いや、いいのか?」

ちょっと気に入らない。
まぁ、もともと仲は良くなかったんだけどさ。
でも、うん。

「そういう人だってたまにはいるさ」
「……そうならいいんだけど」
「あのさ、今から商店街にいかないかい?あそこは近いし、夕飯までにもどれる」
「え、いいの!?いくいく」

なんでこんなことを言ったのか。
たぶんわたしがふてていたからだろう。

あー、なんて優しいんだろう。
王様が兄になったら、嫌がる人なんていないんじゃないかな。