コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お姫様は笑わない! オリキャラ募集! ( No.47 )
- 日時: 2010/12/09 18:54
- 名前: 白銀の夜 ◆OnuzI5zYIA (ID: bQbYMR0G)
「……誰」
暗闇に響く。
リクシナの声。
ナイフは手の中に。
「クスクス」
誰かはただ笑う。
声からして少女だろう。
ふと。
白い何かがちらりと。
「クスクス」
笑い声とともに、気配が消えた。
白い何かも消えた。
真っ先に思い浮かんだのは
「お化け……、ですかね」
そのリクシナの答えに逸早く反応したのはユウジだった。
「幽霊?!変なこと言うなよ。幽霊なんて存在しねえよ」
おびえてる。
知られたくなくて平常ぶっているのが目立つ。
アヤカはそれに
「神様は信じるのに?」
「……あ、あれは触れるからいいんだ。…そうだよ、触れるやんじょ」
ぶつぶつ言っている姿が面白い。
突っついただけで震え上がりそうだ。
ためしに突っつこうかな、とリクシナの遊び心が働いたが余計なことはしたくないのでやめた。
「じゃあ、あの白いのは何でしょうね。ほら、ふわっとしたやつです。服ですかね」
言葉で遊ぶことにしたらしい。
どんどんと追い込んでやろうかな、ってとこでしょうね。
「そうだよ、服だって。白い服を着た誰かが迷ったんだって」
「白い服ってお化けとか着てそうですよね」
「な……っ」
「それに、迷った人が笑いますか?おかしいですねぇ」
「遊び心だったんだよ、その子は!!」
「ふうん。ここに私たちがいるのに、迷ったその子がここにこずに笑って怖がらせ遊ぶんですか。おかしいですね」
「……!!もういいんだ!誰もいないんだ!幽霊なんかいないんだ!それでいいだろ!!」
「……わかりました。そういうことにしておきましょう」
そろそろ怒り出したので、やめることにした。
これ以上続けると単独行動までとりそう。
「ユウジはそこまで幽霊が嫌いなのか」
呆れた風に言う。
まぁ、あなたはなんか邪悪な剣持ってるしね。
怖いものなんて無いんだろうなぁ。
「面白かったです」
「……それはよかったね」
無表情なのに喜んでることが分かる。
それほど面白かったのか。
五年ほど前までは兄にべったりの甘えん坊?だったのに。
「でも、本当に誰でしょうね」
「…さぁ」
「やはり、幽霊としたほうが楽しそうです」
「…勝手に決めとけばいいんじゃない?」
「ふふふ……明日は幽霊(仮)を見つけ出すことにしましょう」
「…明日にはシルヴァに着かせるんじゃないの…?」
「そんなことよりこっちが優先です。面白いものは見ておかなければ」
きっと、城から出せてもらえなかったから。
自分の目で世界を見たいんだろう。
城に戻されたら、もう外に出ることはできなくなる。
だから、自分の目に思い出と記憶を。
いつか、兄が王様になったら会えるから。
そのときまで、心の中に閉まっておく。
そして、それを思い出話として、また兄と向かって話そう。
いつか。