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Re: お姫様は笑わない! ( No.62 )
日時: 2011/01/11 19:49
名前: 白銀の夜 ◆OnuzI5zYIA (ID: bQbYMR0G)

「まってください」

早朝の空気に響く。
村人がもうすぐ起きる。

「……なに」
「あなたに話があります」
「……さっきのことなら言うことなんてない」
「いいえ、あなたは知っているはずです」

息を切らせながら。
黒髪の少女は後ろを向きながら。

「あなたは、白い子のなんですか」
「…………」

何も答えない。
冷たい空気頬を撫でる。

「……余計なことはしないでって言った」

黒髪の少女は歩いて、近くの家に入ろうとする。
家に入られたらもう話すことはできないだろう。

リクシナは走って———こけた。
自分の足に絡まったのだ。

「……!大丈夫?」

黒髪の少女はリクシナに走りよる。
絆創膏を取り出して、足に張った。

(絆創膏を持ってる人、初めて見ました)

普通は持ってない。はず。
よくみたら腰にボーチが。

リクシナは黒い少女の腕をつかんで

「捕まえましたよ」

低い声で言った。







「ただいま———って」

廃墟に戻り、部屋に入ると倒れているユウジとアヤカがいた。
リクシナが動こうとして、先に黒い少女が動いた。

二人の顔色やおでこに手を置いたりした。
黒い少女は少し黙って

「……ただの気絶。大丈夫」

リクシナは息を吐いて調子を整える。
黒い少女は近くにあった椅子に腰をかける。

「……私はリト。この村の村長の娘よ」
「わたしはリクシナです。よろしくお願いします」

リトはさっきより落ち着いている。
少しは警戒が解けたようだ。

少し二人黙って、気絶した二人をみたりした。
そして、リクシナを向いて

「白の子は、私の妹よ」