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Re: お姫様は笑わない! ( No.63 )
日時: 2011/01/15 17:52
名前: 白銀の夜 ◆OnuzI5zYIA (ID: bQbYMR0G)

一週間前、突然妹のユイが消えたらしい。
それと同時に村の子供が一人消えた。

「……初めは村から出て迷子になったんだろうって村から少し離れたところまでは探したけどいなかった」

それから一人二人と消えていき、三日前に犯人を見た人がいた。
その犯人は白かったと。

「白かった……って初めからユイさんを指さなかったんですか?」
「……ユイの髪は白くなかった」
「え、でも白い子は妹なんですよね?」
「……私も会ったから、白い子に。とてもユイに似ていた。ううん、髪の色以外はユイそのまま」
「そのとき、どうしました?」
「……名前を呼んだら、振り向いて“お姉ちゃん”と」
「じゃあ、それはユイさんとなりますね。ただ、なぜ白色に……」

リクシナは考え込む。
リトは寝ている二人を見る。
そして

「リクシナ、起きた」

アヤカが目を覚ました。
続いてユウジ。

「大丈夫ですか?何があったんです?」

リクシナが聞くとアヤカが

「…白の少女がきたんだ」
「え?」
「…“もう来るころだと思ったけど足手まといの男の子がいたんだね。待ちきれないから私のいる場所を言うよ。答えはここ、じゃね”って」
「それで」
「なんか、頭が痛くなってそのまま……」
「……それはガスね特殊な。原料とか分からないけどかなりの頭痛がする」
「へぇ」

ユウジも同じみたいだ。
そこでリクシナは何かに気づいた。

「ルグエスは、どこですか」
「え」
「あ」
「……?」

ユウジが一人で留守番のときにはもういなかった。
ということは

「寝ているときに連れていかれた、ですかね」
「…でもあいつは連れ去られる前に吠えるでもして」
「……あのガスは動物にも効く」
「決まりか」

リクシナは一応ということでナイフを用意する。
アヤカは黒い刀を腰に挿す。

「てとこまではいいけど、“ここ”がどこか分かるのか?」
「分かりますよ」
「…さすが」
「で、どこだよ」
「ここですよ」
「は?」
「この廃墟です。実はここ、一見は横に広い一階建てに見えますが」

リクシナが歩いてそこまで遠くない棚までいく。
中にある本を探り、ポチと何かを押した。

ゴゴゴゴゴゴ…と大きな音が響く。

「地下があるんです。知らないうちにガスに犯された私たちとルグエスですが、私は少し意識があったんです。そしてこの音を聞きました。初めはなんの音か分からなかったんですが……白の子のおかげです」

さぁ、行きましょうか、と地下の階段を下りていった。