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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お姫様は笑わない! ( No.7 )
- 日時: 2010/11/07 17:16
- 名前: 白銀の夜 ◆/.wGEvSoxI (ID: bQbYMR0G)
一話 「夜の星」
この国の第四王女として生まれてきた、四姉妹の末っ子、リクシナ。
本名、リクシナ・ヴィ・アルスクリブ。
髪の色は夜と同じ青紫。目の色は満月と同じ黄色。
この国を統べる王家アルスクリブの血を引く者。
上に三人の姉と一人の兄がいるせいか、リクシナの存在はあまり知られていなかった。
だが、五人の中では兄に次いで頭が良く、親から一番愛されていた。
姉たちや兄とも仲が良く、不自由ない暮らしをしていたが、それでも退屈なのだ。
毎日毎日、簡単な勉強ばかりで、やりたくもないヴァイオリンなんか弾かされて。
窓の外の景色のほうがよっぽど価値があった。
もうすぐ十三歳の誕生日を迎えるリクシナ。
一番欲しいプレゼントは外に出してくれること。
第四王女であまり知られていないリクシナでも、見た目が金持ちなので誘拐などされる恐れがある。
だから、両親は五人をあまり外には出さないようにしているのである。
「それでも」
リクシナは服を脱いだ。
いつも着ている質素なドレスはタンスへしまい、仲のいい使用人に作ってもらった平民の服を出す。
膝より少し丈が短いスカート。長袖のTシャツ。
腰まである長い髪はボニーテイルに。
身軽なリクシナは、二階の自分の部屋から飛び降りた。
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