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Re: 狩り☆ダッシュ♪ ( No.14 )
日時: 2010/11/19 08:51
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

ネル「ん〜......これなんかどうかな?」


俺に差し出されたのは、鋼鉄の鎧.......そう、一般人が言う、ふつ〜の鎧。


戒「なんか、シンプルすぎねぇ〜か?」


ネル「そうだけど、やっぱり初心者はコレでしょ♪.......それに、まだあなた達の力量知らないし、飛竜の一匹狩ってないやつが、目立つ装備してたら............周りからさむぅ〜〜い目で見られるよ〜」



戒「.........う〜んと、そのネル持ってるふつ〜の鎧良くねぇ〜?」

隣の葉月に振る。

葉「......いいねぇ〜〜、色んな意味で....」



決まった。


俺らの装備は、上から下まで...........『The・ふつぅ〜の鎧』!!。


店の奥の方で騒いでいたアホ2人も、最終的に『The・鎧装備』になった。

と言うか、ネルに無理矢理そうさせられた。



智「.....トホホ......あ〜あ、あの装備格好良かったなぁ〜....」

涼「ほんとっすよ〜、あの装備欲しかったっすぅ〜」



ネル「まだ、皆さんの経験値はゼロです..........ハッキリ言って〜〜〜、カス!!!!、明日、皆さんで一頭飛竜の子供を狩ってもらいます。そこで実力を判定し、それ相応の装備を用意するってのはどうですか?」



智、涼「意義なし!!!!!!!」



戒「.....ネルの発言の冒頭の方に、聞き捨てならない言語が入ってましたね.....え〜とたしか、なんて言ったけなぁ〜〜〜..........あっ、そうだ..................カス!!!」



葉「....だから戒斗、蒸気出てるって.....」



戒「..........フフッ、経験値だと.......なめんじゃねぇーよ、俺の経験値はなぁ〜〜.....................最初からMAXなのよねぇぇぇぇぇええええぇぇ〜〜〜〜!!!!!!!!!!」




言った、言ってやったぞ.........なんて気持ちいいんだ.........



葉「.......戒斗、壊れた。」



ネル「.....フフッ、明日の狩りが楽しみですね♪.............さっ次は武器です♪....武器もこの店で買いましょう♪」


智「じゃ、俺はコレ!!」

智成は、奥から巨大な剣を持ってきた。


ネル「.......あなた、死にたいのですか?......初心者がそんなもの使ったら、間違いなく............天に召されますよ♪.......皆さんは、コレがいいでしょう♪」


またこいつに決められた。

俺らの前に差し出されたのは、西洋の映画なんかにでてくる甲冑を着た騎士が持ってるアレだ。


一般の人が見て、コレを剣と呼ぶほかないだろう。



ネル「シンプルイズザヴェスト♪..........さ、もう暗くなってきましたし、宮殿に行きましょう。今日は異世界人歓迎のパーティが開かれますよォ〜〜〜」





__________そして、宮殿の大広間。


司会「え〜、本日遙々、異世界から来ていただいた助っ人の方々で〜す。皆さん拍手ぅ〜〜〜」


「パチ.....パチ.....パチ....シーン。」



うわ〜..............歓迎されてる気しねぇ〜



大広間には、大勢の人たち.......いや、ハンター達が来ていたが、俺たちの姿を見るなりとてもがっかりした様子だ。



戒「おいネル、なんかみんな落ち込んでるぞ...........なんで俺らみたいなの助っ人に呼んだんだよ.......」



ネル「.............私の目にくるいはありません。」



はあぁ〜、なんかこっちまでテンション下がるわ〜.........元々テンション低かったけど。



「なんだぁ〜、あの王女様の娘が選んだ救世主だからちょっとは期待したんだけど........なんだぁありゃ?..........がっかりだな」


「なんだ?、ただのガキじゃねぇ〜か」

「これじゃ、この公国も終わりだな....帰ろ帰ろ」



色々な声が聞こえてきた。


この広間に集まった人たちは、ぞろぞろと帰って行った。



広間に残ったのは、俺ら4人とネル。



「ガチャ」

みんな沈んでいるとき、大広間の扉が開いた。



入って来たのは、紳士的な男性だった。


ネル「.....お父様!!.......」


お父様.........ってことは、この人がネルの父親かぁ〜..........一度親の顔が見てみたいと思っていたところだ。



ネル父「........ネルよ、非常に言いずらいのだが、この者たちを本当に信用して良いのか?」


ネル「........明日、この者たちに例のテストをさせます。..........お父様、私を信じてください!!」



ネルの父さんは、俺らの顔を眺める。


ネル父「.......娘よ.....お前は、母に似たな」



そう言うと、ネルの父さんはこの場を去って行った。


戒「........ネル」



ネルは、泣き始めた。


ネル「なんでみんなを助っ人に選んだか、それはね.......みんな仲間を想う心があったからなの..........10年に一度、異世界から助っ人を呼べる機会に当たったこの国の王女は、必ず異世界へ赴き、助っ人を選ばなくてはならないの..................異世界人が狩りに関わりがないのも知ってる.........技術や経験が無いのも知ってる。..........でもどうしても助っ人が必要なの.........ううん、みんなの希望の星が必要なの!!!..........歴代王女は、異世界人が力が無いのを知っているのにあえて、派手な装備や、高級な装備をさせて異世界人をいかにも強そうにみせたわ................でもね、その異世界人は死んだわ。力もないのにみんなに期待されて、みんなの希望と引き替えにね...............................でも、私はそんなの嫌!!!、みんな生きて欲しい。だから、私、装備だって軽くて丈夫な装備を選んだし、武器だって、初心者が一番使いやすいものを選んだわ..............みんな、死なないで....」




.....命、それはたたった一つしかない『希望の星』。