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Re: 狩り☆ダッシュ♪ ( No.16 )
日時: 2010/11/25 17:00
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)


____どれほど時間が経っただろうか......

公国を出発したときとはまるで温度や湿度が違う。




..........と、乗り物が止まる。


ネル「はい、とうちゃ〜く」


俺は、ボックスの中から外の様子を確かめる。



俺たちの乗っている乗り物の周りは、密林と化していた。



ネル「みなさん降りてくださ〜い♪」


渋々降りる。


戒「おい、ここどこだよ?」


ネル「ここは、訓練用に作られたジャングルです、実際のジャングルほど危険ではないので安心してください」



智「そい!!、はぁっ!!、どりゃぁぁぁぁぁあああ〜!!!」


俺がネルに聞いている間際、横で剣を振り回すアホ一名。



戒「........おい、何やってんの?」


智「モンスターを狩る練習だよ...............俺も、ゲームで狩りはプロ級の腕だが.......三次元となると、さすがの俺も不安だ。」




戒「......なぁ、葉月...........俺、こいつが最初に天に召されると思う。」



葉「........同感だわ」



ネル「自ら練習だなんて良い心がけじゃないですかぁ〜、戒斗たちも練習しないとモンスターに食われますよ..........」



戒「その心配はない、その飛竜の子供とやらが現れた瞬間、そこのアホとその連れが真っ先に飛び込んで行くと想定される.................よって俺たちはその間に逃げる!!、うん、我ながら完璧だ。」



葉「んで、その連れどこ行ったのよ?」



そう言えば、涼太の姿がない......



戒「涼太〜、どこだ〜」


呼んでみたりしてみる。




涼「あ...........あにきぃー............ここっす............助けて....」


涼太のうめき声が聞こえる。


その声は、乗り物の影から聞こえる。



俺たちは、そこに向かう。



そこには、地面にのたれ死んでいる涼太。



葉「ちょっ、どうしたのよ手下!!」



智「なんだなんだ?、悪いもんでも食っちまったかぁ〜?」


涼太を見て笑う智成。



戒「ん?、なんだこれ?」


俺は涼太が右手に持っていたキノコのようなものを指さす。


どうやら、涼太はこのいかにも怪しいそうなキノコを食べてしまったみたいだ。



ネル「こ、コレは!!!、闇ルートで高く売れるデスしいたけ!!!...........なかなか見つからないんですよ〜〜」


周りに生えているそのブツを物色し始めるネル。



戒「............ネル、そんなことより.......涼太だろォォォォォ〜〜〜!!!!」



ネル「ああ、大丈夫です........そのうち直りますから♪」



戒「そのうちっていつだよ.......?」



ネル「個人差がありますから、早い人で数時間、遅い人で数ヶ月ってところですね」




戒、葉「どんまい...........涼太。」




戒「ってか、狩り行く前に負傷者だしてどうすんだよ.......」



ネル「私のせいじゃありませんよ〜、これは涼太の好奇心のせいです!!」



葉「まぁ確かに、手下好奇心旺盛だもんねぇ〜..............でも、いかにも危なそうなキノコを食べるのはどうかしてると思うけど.........」



戒「最近、そこのアホと一緒にいたからなぁ〜..........きっとアホがうつったんだろ。」


横の智成を指さし



葉「.........最近私もおかしくなってきたような気がするのよねぇ〜」



戒「それはない!!、葉月がおかしいんなら俺はもっとおかしくなっている.........」



葉「...........戒斗//」



ネル「はぁ〜い、いい雰囲気のとこ悪いけど、テント張るの手伝って〜」



緑の大きな布を広げながら、ネルが言う。



葉「はいはぁ〜い♪」


やけに機嫌がいい葉月。





________ようやくテントが完成した。


ネル「もうこんな時間、お昼ご飯まだだったわね〜、みんなお腹すかない?」



戒「そりゃ腹減らないわきゃぁ〜ないでしょ!!、朝みそ汁という名の生命維持液を飲んだだけだ。.........そこのアホと、好奇心旺盛の少年は別だが....」



ネル「よし!!、じゃぁみんなで食料調達しに行こ〜」



......またろくなもん食えない気が....




____テントに瀕死の涼太を置いて、俺たちは言われるがままネルの後を付いて歩いた。


ジャングルの奥へと進んでいく。


周りには、巨大な昆虫や蛇、色とりどりの果実をぶら下げた木、イノシシっぽい動物など進んで行くにつれ、危険な香りがしてきた。



戒「おい、ネル、もう戻ろうぜ........なんかあきらかにサイズ間違ってる虫とか増えてきたんですけど........」


ネル「普通だよ〜、そこの巨大銀ハエなんか炒め物にすると美味しいんだよ〜.........あと、足下きおつけてね.......虫に刺されると、体麻痺してしばらく動けないから」



戒「.......そりゃそ〜だろ〜、虫のサイズ間違ってらっしゃるぅぅ〜〜」



葉「なにこの蚊!!、でかすぎ!!、も〜〜キモ〜〜〜〜〜〜い」


俺の後ろを歩く葉月の足が震えている。


戒「葉月.........大丈夫か?」


葉「だ、大丈夫なわけないでしょ〜........私が虫嫌いなの知ってんでしょ〜が」


そうだった、葉月は虫が嫌いなんだった。



そんな葉月がよく立っていられるなぁ〜



葉「...きゃぁっ!!」


葉月の足が、虫と接触した。



戒「ったく、ほら」


俺は、しゃがんで背を葉月に向ける。



葉「......あ、ありがと//」


俺が葉月をおぶる形になった。



智「戒斗〜〜、俺もおぶってくれ〜〜、もう疲れちった」



戒「さっきあんなに騒いだからだろ〜が、アホ!!」



先頭を歩いていたネルが止まる。


気づけばそこには、周りをジャングルに囲まれた湖のような場所だった。


ネルは、おもむろに木の枝を折り、糸を巻き付け始める。




ネル「レッツ、フィッシング♪」


釣りが始まった。