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「うぉらおらおららぁあああ！　つぅきすすむぇえええい!!」

「いい加減にしろテメェら!!」

華蓮は水中追いかけっこをしている亜美と桃子に向かって般若もびっくりな顔で吠えた。
だがそれは流石長年の付き合い。
亜美と桃子はさらりと受け流して動じることなく水中追いかけっこを続ける二人。
それを見て、華蓮の中の何かがぷつんと切れた。

「ク、ククククク……ッハハハハハハハハ!!」

片手で顔を覆ってイキナリ笑い出した華蓮を、周囲の人々はぎょっとした顔で見つめる。
亜美と桃子は顔を蒼くして硬直した。
そして、華蓮が顔を覆っていた手をとると、先ほどの般若など比べ物にならないくらいの覇気と怒気をもった顔が現れた。

「今日という今日は……許しておけねぇ!!」

木刀を手にプールの中に飛び込む華蓮。
亜美と桃子は慌ててプールから上がろうとするが、水中から二人の足をつかまれ、それは未遂に終わった。
足をつかんでいるしたの人物、華蓮を見ると、華蓮は妖怪かと思うほど恐ろしかった。

「……覚悟はできてんな？」

声は聞こえないが唇の動きだけでそういった華蓮に、亜美と桃子は水中だというのに正座をして土下座した。


———その後。二人はキツイお灸をすえられたそうな。


（亜美〜？）
（いや……鬼……鬼怖いよ……）
（桃子〜？）
（般若が……鬼神がぁあああ!!）
（どうしたの二人とも？）
（さぁ？）