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Re: 音色の旅に祝福を ( No.3 )
日時: 2010/11/22 16:36
名前: 真白 (ID: fLPAPacp)

第1章 旅立ち

あたしは今日何度吐いたかわからないため息を洩らした。

「忘れものは無い?お金も入れた?」
「エミリー姉さん、何度もチェックしたから大丈夫だよ」
「いい?途中で何かがない事に気がついても遅いのよ。私は心配で心配で・・・」

うう・・・。これが親バカ・・・じゃなくて、従妹バカってヤツなんだよね。
エミリー姉さんって、とっても素晴らしい人なのに、お節介すぎるのが玉にキズ。こんなやり取りを、少なく見積もっても数1000回はしたような。

「睡眠不足になっちゃうかも」

あたしがそう言うと、エミリー姉さんはアッサリと意見を変えた。動かしやすい性格なんだね。
ちょっと単純・・・・。

「仕方ないわね、ここは私がやるから、ファナはしっかりと睡眠を取っておくのよ」
「あんがと・・・。お休み」
「寝坊しちゃだめよ」
「ふぁ〜い・・・」

やっと解放された・・・。
あくびをしながら、レトロな階段を上る。何でか、この家はレトロな造りをしているんだ。

寝室に戻ると日記を開いた。
○月×日のページを開き、机の引き出しから創造神さまから来た、あたし宛の手紙を取りだすと、日記に挟み、ベッドに寝転んで考えた。

この手紙に書いてある通り、最近、伝説上の生物の封印が解けてしまい、多くの街や村で暴れている。
たしかに狂暴で害のある生物もいる。だけど、大人しい生き物だっているのに。

「なぜ、こんな風になってしまったの・・・・?」

答えはきっと、この旅の中にあるはず。
あたしは、そう確信した。