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Re: ある日の放課後の魔科学 参照100突破…だと!? ( No.15 )
日時: 2010/12/05 17:37
名前: 遮犬 ◆ZdfFLHq5Yk (ID: XvkJzdpR)

まず、状況把握をしようじゃないか。
えーとだな。まず、俺は素晴らしいアルバイトがあるということで旧校舎の誰もいない教室に行った。
そして一人の僕っ娘と出会い、さらには黒板の闇の中からいきなり出てきたツンツン少女と出会った。
その二人から告げられたアルバイト内容は——世界を救うこと。
引き受けるなんてことは一言も言っていないというのに強制的に異世界へGo。
そしてその異世界で出会ったのは自分より幾分と年下に見える可愛らしい美少女。
その少女はどうやら自分の命を助けてくれて、さらにはいきなり救世主と呼ばれる。
逆に命の恩人だから俺が少女のことを救世主と呼びたいところだ。
その少女の名前は白雪というらしい。俺は一刻も早く元の世界、元の家に帰りたいと思っていた。
何故かって? 俺は世界を救えるほど大層な人間でもないし、そもそも引き受けてもいないからだ。
何とか説得しようとするが、逆に説得させられてしまった。なんてこった、俺の肩書きはマジで救世主に。
そんな時に突如として現れた王国の人。ムカつく公爵おっさんとその兵士が俺たちに攻撃してきて——
そこに、何故かツンツン少女こと瀬菜が現れて……。

「はぁぁぁぁっ!!」

現在、その瀬菜さんは乱闘中です。

「うわぁあああっ!!」

兵士たちはまるで台風に吹き飛ばされたかのようにぶっ飛んでいく。
瀬菜の右腕に持っている蒼く、機械仕掛けのバカでかい剣に薙ぎ払われたのだろう。
簡単に薙ぎ払われたとかいっているが、とてつもないバカ力か何かでないと無理である。
あのバカでかい蒼い剣を振るってる時点でもうバカ力か。

「いっけーっ!」

何か可愛らしい声が聞こえたなぁとか思ったその時、何やら王国兵士さんの上空辺りに雲が集まっている
そしてはじけるようにその雲の中から巨大な氷柱がこれでもかと雨の如く降りかかってくる。

「ぐわああっ!!」

兵士たちの叫び声や何やらが騒音となり、俺の耳に響く。
目の前で起こっているこの氷柱大量発生状況。これが魔術ですか?
驚くというより、何だか凄すぎて何もいえないという状況だった。

「な、ななな、何だっ! き、聞いてないぞぉっ!? こんな化け物じみた奴がいるなどっ!!」

周りは雪だらけで低温だというのに顔中、脂汗まみれにして叫んでいる公爵おっさん一人。
周りの兵士は皆、瀬菜に吹き飛ばされて気絶しているといったところだった。

「……残りはアンタ一人。……どうする?」

「ひ、ひぃいっ!!」

瀬菜の言葉に悲鳴じみた声をあげて「お、覚えていろっ!」と、悪者お決まりの言葉を吐き捨てて逃げた。

「ふぅ……」

額の汗を拭う瀬菜。
今こうしてみると、随分と綺麗な女の子だと少し胸を打たれる。
が、その思いは儚く消えていくことになる。

「あんたねぇ、救世主なら救世主らしくしなさいよっ!」

俺の目の前まで迫り来ると、鬼の形相で俺を怒鳴ってきた。
まず言いたいが、いつ俺が救世主になったよ? それとその右腕の剣、怖すぎるのでしまってください。

「あ、あのっ!」

そんな中、可愛らしい足音とかけ声と共に近づいてくるのは白雪だった。
先ほどは氷柱を無数に王国兵士にぶつけていた少女とは思えない可愛らしさである。

「助けてくれて、ありがとうございました!」

うん。なんて健気。
ていうか、俺とふれあったさっきまでのお転婆っぽさはどこに吹っ飛んだ?

「あ、ううん。別に大丈夫。貴方こそ、どこか怪我とかなかった?」

そんな白雪の言葉に、はにかんだ表情で手を横に振った後、少々の笑顔で答えた瀬菜。
なんていうかさ、俺の時だけ接し方まるで違うくないか?

「あ、ついでに木葉! 大丈夫でしたか?」

「ちゃんと木葉って呼んだところは褒めてやろう。だがしかし"ついで"ってどういうことだゴルァッ!!」

この小娘はいちいち人の心に突き刺さる言い方をしやがる……。
確かに俺はさっきの戦闘、何もやらなかったけどね!? てか出来るはずないだろうがっ!!

「あぁ! アンタ、生きてたの?」

「貴方にいたってはもう泣きたくなるよっ!! 俺はどうでもいい存在何ですかねぇ!?」

「うん」

「即答すんなああああっ!!」

俺は何のためにここに来たんだっけ……? もう何か今すぐにでも本当、帰りたい。

「あ、今帰りたいとか思ったらぶっ飛ばすからね〜」

そんな、右腕に物騒な蒼いブツぶら下げて言わないでください。本気でされそうで怖すぎます。

「あの! 私、白雪っていいます! 貴方のお名前をお伺いしてもよろしいですか!?」

おいおい。俺と喋る時とは違ってえらく礼儀正しいな、小娘。

「私? 私は逢風 瀬菜(ほうかぜ せな)」

へぇ、逢風っていうんだな。こいつの苗字。

「逢風 瀬菜、逢風 瀬菜、逢風 瀬菜……! 長いので略して瀬菜さんとお呼びしていいですかっ!?」

「略すも何もそれが名前だっての」

俺が横からとりあえず言っておく、が。

「木葉とかいうアホ。五月蝿い」

「俺の威厳全くないよなぁっ!?」

あぁ、俺の運命はどうなるんだろうな。
それと瀬菜さんや。そろそろその右腕の物騒なもの、しまってくれませぬか?
さっきから話すたびに少し俺に当たりそうで怖いんですけども。






世界は——廻る。
異世界は——廻る。
時間は——戻る。

——忘れられた、時間へと。