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- Re: マイクテス。—陽光学園放送部活動記録—@放送部ラジオ計画発動 ( No.21 )
- 日時: 2010/12/07 21:07
- 名前: むーみん ◆bbb.....B. (ID: 20F5x0q3)
- 参照: ギャグの教科書=スケットダンス
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冷や汗が止まらない。
まず、状況から説明しよう。
今は部活動の時間帯。そしてここはいつもの放送室。
部員も全員そろい、いつもの如くホワイトボードの前の椅子に部長が座っていて、部室に置かれたテーブルの周りに部員が座っている。
当たり前の放送部の風景。
だが、この室内に流れる空気はいつになく重かった。普段のくだらない話もなく、みな下を向いて黙っている。珍しく崚先輩もパソコンを開いていない。
そう、いつもと明らかに違う点が一つあるのだ。
何故、ここに生徒会長がいるんだ?
生徒会長、紫藤大輔。
俗に言うイケメンで、頭もよく、おまけに運動神経もいい。
この人を見ていると、なんて神は不公平なのだろうと思ってしまうほどの完璧人間。
そんな偉大な方が今、放送室という汚れた空間にいるのだ。
時計が一定の間隔で刻む秒針の音しか聞こえない。
生徒会長様はテーブルに肘をつき、じっとしていた。
もうまじで勘弁してほしい。
なんだ、この息のつまる空間は!
どうしていいか分からずに、助けを求めるように部長に目を向けると、相変わらず下を向き、何故か必死にペン回しをしていた。
新技に挑戦しているのか、うまく回せると目をキラキラさせて地味に喜んでいるようだ。
ガッツポーズしてる。今、小さくガッツポーズしてる。
その時、ようやく長い沈黙が破れた。
「何故僕がここにいるか……、分かりますよね?」
「いえ、全く持って分からないのですが? 部費額でもあげてくれるんですか?」
涼しい顔で崚先輩がそう答えた。反抗的ともとらえられるその言い方に、この人はなんて恐いもの知らずなんだと思った。
それと同時に俺は気づいてしまったのだ。
この人は……この間の校内ラジオと称したあのグダグダな放送に怒っているのではないか、と。
「この間の放送、なかなかおもしろかったです。ただ……」
ほら、絶対そうじゃん! おもしろかったとか言ってる割には顔めっちゃ怒ってるじゃん!
「まだ麗奈さんからちゃんとした返事をいただいていないのですっ!」
そのあまりにも予想から外れた言葉に、張り詰めていた空気は一気に緩んだ。
「え、それだけでここに来たって言うんですか? 今までの半端ない緊張感返せ!」
そう言ったのは部長だ。
いや、緊張感とか言ってるけど、ペン回ししてたよね、部長。
生徒会長は、それを無視し、まじめな表情で言った。
「ちなみにもち米なら毎日食べてます!」
——と。
皆があきれて声すら出なかった。
この人は真面目すぎるというか単にアホというか……。
いや、おそらく後者だな。
「しつこい男無理ですから」
麗奈先輩は、麗しい笑顔で、しかし冷酷にそう言った。