コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.18 )
日時: 2010/12/11 09:44
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)



神属性、それは属性の中で最上位の能力。

通称、神の能力。神は天使を呼び出し、天使を操る。それぞれの神(使徒)によって、聖職者が存在する。神は、その唯一、一人だけの聖職者だけに力を託す。それこそが神属性。

つまり、イコールはこの国で一人だけの神属性なのだ。神は、別に一つではない。

非現実的で笑えてしまうかもしれないが、この世界ではそんなことは笑ってはいけない。イギリス聖教や、キリスト教、イスラム教、それぞれの宗教によって神は存在する。だが、仏教で神は存在しない。

ではなぜ日本にイコールのような神属性がいるのだろうか?

尾崎は、驚きの表情を隠せないまま聞いた。

「なんで、・・・神属性が・・・・」

そうすると、イコールはまた笑い声を発し、指をさしてこちらに顔を向けた。

「俺は、実験体なんだよ。・・・・お前らに言う必要はなかったけど、・・・どうでもよくなった。俺は、イスラム宗教の神を、体に納めたんだよ。」

体に・・・納めた・・・?

この疑問に先に口を開いたのは奈津美だった。

「じゃぁ、神属性って言うのは、神を体内に融合させるという事なの!?」

融合・・・・?

謎が謎を呼び、尾崎は何がなんなのか分からなくなった。

「まぁ、教えたところで、お前らはここで死ぬ。これは確実だ。・・・・冥土の土産ってやつだな。じゃぁな。」


イコールは,
両手を構えて、天使に命令を下す。

「天使、使徒よ、神に従い、神に仕えよ、命を下す。この少年少女を、抹消せよ」

天使は奇声を上げると、二人に飛び掛かった。


だが、坂条奈津美は、それをくい止める。

奈津美は、笑っていた。尾崎が振り返ると、奈津美は警戒している顔を見せているが、さも楽しそうに、強風を巻き起こす。・・・台風並みの風力レベル8ぐらいで風を生みだし、天使を喰いとめた。


「忘れてるわけ、ないわよね?どんなに神属性だったとしても、第二位属性は風よ?」

奈津美は、天使を風の摩擦で、抹消した。

両手を払って、警戒態勢に奈津美は移る。

「それに私はレベル8、そんなすぐやられてると思われちゃ、困るのよ!」

尾崎は、その言葉で思い出す、俺も負けてられねェと。

尾崎はコードナンバーを言う。

どんなにレベル8で、神属性で、最強だったとしても、それに唯一勝てるのは同じ人間。

尾崎は気合を入れて、「奈津美、俺も戦う」と
言ってイコールに歩む。

あと一回。能力を使えるのはそれだけだ。一回のミスさえも許されない。

奈津美も、頷き、二人はイコールを目の前にした。



イコールは、二人の決断力を見て、軽く機嫌が悪くなる。

こいつらみたいな、団結力なんてくだらねぇ。パートナー同士なんてくだらねぇ!こんな世界、人類、生物!すべてが!!終わっちまえばいいんだァああああああっ!!

イコールは、激怒の感情を抑えきれず、ましてや身勝手な疑心暗鬼で感情を倍に膨張させる。

そのまま、百体の天使を創りだし、抹消させる命令を下す。


「この数で、やらなきゃいけないなんてね。・・・でも、私は!」

奈津美は、台風並みの力を尾崎も巻き添えで起こす。

「台風をね、窮縮形態にして放つとどうなるか、知ってる?」

周りに起こっていた風が、奈津美の右手に集まる。

やがて、風の球体へと変わる。

そのまま射撃。

撃った風は百体もの天使を、広範囲でイナズマを巻き起こし、風の急激な摩擦で天使のボディーは焼かれていく。

それを奈津美は、見つめ続けた。同様に尾崎もだ。

イコールは珍しいモノを見るように見上げた。

そこで語る。

「へ〜、なるほど。風属性がなぜ第二位なのか分かった気がする。風ってのは、使い方によっちゃ、何でもありなんだな」

奈津美は、イコールを無視し、その場から走って尾崎の手を掴み、「今のうちよ!」と言って前に飛び出す。

尾崎もそのままイコールに向かって走り、右手を構える。

「どりゃぁあああっ」

イコールが尾崎の接近に気付くと、即座に尾崎の後ろへ回り込み、背中を蹴り倒す。

蹴り倒した尾崎のみぞを右足のつま先で押しつぶす。

痛さに耐えきれず、呻き声を上げる。

「ぐぁっ・・・ぁぁあっ」

ちくしょうっ! いってぇぇ!

「おまえさぁ・・・相手考えろって。なぁ?レベル1の落ちこぼれ〜」

もっと奥深くへと押しつぶす。


奈津美はイコールに対抗しようと考えているが、風の操作計算で忙しく、そこまで頭が持たない。

・・・このぉ! さっさと消えろ!!

「おりゃぁあああああああああっ!!」

奈津美は、速度を速め、摩擦力を上昇させる。
そこに天使達の悲鳴が強まる。

少しずつ灰色に天使達は変わっていく。

だがそれでも天使達はもがき続ける。

早く尾崎を助けなくてはいけない。

奈津美が天使の焼消化に時間がかかっている横で、尾崎のみぞを踏み続けるイコール。

「レベル1なんてこの世界にはいらねぇよなぁ? お前を楽にしてやる。このまま貫いてやるよ」

「ぐばぁっ! がぁああぁっ」

足が少しずつ尾崎の胸に沈んでいく。この状況はただの拷問にさえ近い。

くそ! このままやられる? 俺は! また・・・なにもしないまま?!



・・・・ざんねんだが、俺の答えはNOだッ!



尾崎は、苦しみながらも、両手をイコールの胸を突いている右足を掴む。


それを不思議そうに見るイコール。


「まだ、抵抗するほどの力はあるんだな。」


その様子を奈津美が不安している。

まだ天使は消えていない。このままでは間に合わない。

「・・・お願い! さっさと消えろぉぉ!」


摩擦を上昇させていくが、間に合わないのは見え見えだった。

だが、尾崎はあきらめない。

へへっ・・・あとは、能力の存在を“無”にすれば!!

そう思った瞬間、「バキンッ」と割れるような音が、天使達から響く。


その音に、一番驚いたのはもちろん、イコールだ。

「な・・・?」

振り向いた矢先、奈津美の周りに群がっていた天使が消えていた。

その場面を見ていたイコールの視点が右へと大きくずれる。

尾崎が、イコールの振り向いた隙を狙って右頬を力づくで殴ったのだ。

「がぁ!!」

「ざまぁみろ・・・」