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Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.2 )
日時: 2010/12/10 17:35
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

実際、俺はこいつの属性能力とレベルだけは本当に羨ましいと今でも思う。

俺みたいに属性はなくて、普通の人間と断定されるのが無属性なのだが、属性は無くともレベルが強ければ相当の力が得られる。

ま、単にボクサーみたいに強くなるだけで、属性がある奴らと戦ったら元も子もないのだが。

でも、レベルが低いよりも高い方が嬉しいのは当たり前だ。

今の俺のレベルは『1』。たぶん、初代地球に住んでいた能力を持たない学生よりも俺は弱いという事になる。

今、俺たちがいる地球は2代目で、初代と言うのは、この地球は百年前、巨大隕石によって人口の約63億人中、63億人と言う数の人間が滅んだ。

生命を持った者すべてが絶滅したんだ。


人間とか、そういうのではなく、地球自体が滅んだといってもいいだろう。

その後、この世界の構築式が変わり、絶滅した人間が生まれた時、何という事か必ず人には能力がある事が判明した。


人間はそれ以降能力を使いまくり、あり得ない速度で俺たちがいるこの街の技術まで発展していった。
たった百年で元の地球に戻したのはどこの動物でも、自然でもない。
人類そのもの。

この能力はもう当たり前になっている。だが・・・・。この俺はなぜか生まれてから無属性で、レベル1。

普通の人でもレベル3はあり、逆にレベル1なんてあり得ないことだと、生まれた後、データを取りながら医者に言われたらしい。

それに俺は『能力』と言った。能力ならば無属性なんて、まるであり得ないんだ。

他の人たちは必ず何かしらの属性を持っていて、そんな俺は、昔っからこの世界が嫌いだった。

うう、なんとも悲惨な俺。幼稚園の頃から能力が使えなくて、属性もないからよくいじめられたりもした。

女の子でも回復属性で、ぬいぐるみを踊らせたりと、よく泣いている子供を、泣きやまして遊ばせたりしていた。

俺はその輪の中には入れず、いつも外れた所で
ボールを両手で持ち、楽しんでいる奴らを羨ましそうに見ていた事を覚えている。

でも、そんな俺に話を掛けて来たのは今、俺の隣にいる坂条 奈津美だった。

俺がブランコに乗って、みんなが集まって楽しんでいる所をぼーっと見ている時だった。


「・・・ねぇねぇ、あそぼー☆」


俺はその声に気付かなくてずーっと眺めていた。

・・・気付かないといっても、どうせ皆の方から聞こえた声だろうと思っていたから。

そんな思いを胸に置きながら、自分に来られた言葉ではない、と否定した。

「むー、 君に聞いてるんだよ? ・・・・・あ・そ・ぼぉーーーーーーー!?」

ところが、もう否定できるほどの音量ではなくなったので、俺の体はその声に驚き、地面
へとブランコから転んだ。

声のした方に向き直ってよーく見てから、『なにするんだよっいたいょ』と言うつもりだったが、見ている時に女の子とは気付かなくて少し唖然としていた。


「・・・・なに黙ってんのよ? 遊ぼうってさっきから言ってるじゃん」

と両手を腰につけて、俺を見下ろす。

俺は他人に話しかけられたことなど、昔の俺がいた幼稚園では珍しかったから黙ってその女の子、坂条 奈津美をずーっと見ることしかできなかった。

なんでこっちを見てるの? 今、君が僕の事を呼んだの? なんで? 僕なんていつもいじめられて、お母さんにも怒られて、欲しい物を言ったらすぐに叩かれて、幼稚園の先生
にも、僕は何もしていないのに女の子に触れただけで怒るのに。

そんなに僕って気持ち悪いのかな? いっそのこと来ないでよ。

君としゃべっていたら、また僕、怒られちゃうじゃないか。

もう嫌だよほっぺたを叩かれるのも嫌だし、痛いし、肌が黒くなって、お母さんに心配かけちゃうし、もしかしたらお母さんからも叩かれるかもしれない。

もう、嫌だ・・・。

おれは、気がつけば涙が流れている事を知った。

嫌だったんだその時の俺は。何もかも。

自分に能力がなくて、レベルも1だから、強さでも勝てなくて・・・・そんな事を今まで溜めて来たから、我慢していた涙がすぐに溢れてしまった。

「・・・・な、なんで泣いてるのよ? あ、あたしなんかしたの!?」

あわてて見下ろす態勢を崩し、しゃがんでおれの顔の前まで来た。


眉を顰めて、ブランコから落ちた時に付いた砂を払ってくれた。

「・・・大丈夫? これでいいでしょ? ・・・男の子は、すぐに泣いちゃいけないんだよ?」


そんなこと言われたって、・・・・涙が止まらないんだから仕方ないじゃないか。


流さないように留めても、それがもっと悪化して、急激に出てくるんだから。

俺は、とにかく反応に応えるべく、頷いた。

「そう、ならよかった」

奈津美が俺を引っ張って、ほっぺたをギュッと両手で押さえて、笑った。

俺もいつの間にか、笑ってて、奈津美の笑顔が好きなんだってことを初めて知ったのもその時だった。

が・・・。
あんなやさしかった奈津美も今はこんなに犯罪者に近い行動を行っている。


最初は驚きだった。

まさか奈津美がレベル8の風属性だなんて思ってもいなかった事だったから。



駄目だ、やっぱり暑い。地面のコンクリートは鉄板のよう。


俺たちはゆっくりと、ぎこちない感覚で登校して行く。