コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.26 )
- 日時: 2010/12/11 10:04
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第九話「ハゲ」
爆風が周りを包みこむと、やがて、目の前にいた球体は消えた。
足が疲れてめまいがする。こんな激戦をしたのは初めてだ。今まで戦ってきた人間は弱かった。だがそれは当たり前だ。俺はこの世界で最初に作られた、能力を持つ人間なのだから。
最初に作られて、レベルも属性も最上位では、負ける気がしない。・・・・実験体だしな。
疲れてしまった。・・・力なく座り込む。
「はぁ・・・・・」
「お疲れ様にょん。・・・イコール、だっけ?」
そこにいる少女が言った。それに答えたいが、VANエネルギーをかなり消費したため、頷くことしかできない。
「君の過去、”リバースの魔術”で見させてもらったにょん」
少女は俺に話しかけているのだろうか?
先ほどから訳の分からないことをしゃべっている。
魔術・・・? リバース・・・? 過去を見た・・?
魔術ってたしか・・・迷信で、子供たちがよく本で読む物語だよな? 魔法みたいな。
リバースは、戻すって英語の意味だったと思うが。
ダメだ・・・理解できない。こいつは何を言っている?
「私の名前はミール。白と黒の魔術師です。・・・辛かったね。この世界の人たちは、偽りの記憶を植え付けられ、偽りの日々を生きている。能力という偽りの力。・・・初めてここに来た時、偽りの力があふれ出るように伝わってきました。この世界の能力は、『能力』なんかではありません。人間の実体実験で無理やり作られた『人間』なだけです。あなたはもう一人では考えられていられないでしょう。だから私は、・・・」
「あなたと共に、この世界を救います。この偽りで作られた能力は、人体に大きな影響を及ぼします。・・・そうですね。まずは、春山の捜索。そして目論見を吐かせる。ですね。」
何を言っているんだ? 俺がこの世界を救う?
「なんでわざわざ俺がそんなことしなくちゃ」
「だって、あなたが生まれたから、この世界は変わったんじゃないんですか?あなたという『能力を持つ人間』生まれたから、この世界は支配されたのではないのですか?・・・これは、日本でいう、けじめって奴です。・・・・・大丈夫にょん。あと二人、あなたの右手と左手に”無き者”と、”風のイヴ”がそばに来ます。その時は必ず来ます。」
それまで、私たちは、私たちの物語の準備をすればいいだけです。
「そうか。・・・ああ。わかった。俺の今すべきこと、まだしっかりとはわかんねぇけど、やらなくてはいけないってのは分かった。」
そしてイコールは思いっきり座ったポーズから立ちあがった。
「んじゃ、あのハゲ野郎(春山)を捜索するか。」
ここから二人の物語は、二人だけのもの。
だが、時が来れば、彼らは、”無き者”と”風のイヴ”を見つけ、戦いに挑むであろう。
その時まで、主人公はもう一度尾崎浩太に移る。